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自作プログラムを著作権で守るのは簡単じゃないから期待しすぎないほうがいい

公開日: : 著作権

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ITスタートアップにおいてアプリケーションやソフトウェアのプログラムは重要な資源になります。理想的なExit(出口)を目指すならライバルの追随や模倣対策はしておきたいところです 

プログラムは著作物なので、著作権があるといえばあります。しかしそれだけでは十分な対策とはいえません。そこで事例を踏まえて、自作プログラムを守るのに著作権だけでは不十分な理由についてお伝えします。

photo credit: opensourceway via photopin cc

ゴー・コンピュータの失墜からの学び

ゴー・コンピュータ独自の携帯ペン式コンピュータを開発したため、他の企業を巻き込んで拡大することを試みました。そこでマイクロソフトと交渉し、秘密保持契約を交わして支援を受けようとしました。 

ところが最終的にはマイクロソフトのサポートを得られないどころか、マイクロソフト独自で競合製品(ペン・ウィンドウズ)の開発に踏み出される始末。にもかかわらず、ゴー・コンピュータは法的手段で対向することができませんでした。 

・・・著作権によるソフトウェアの保護は製品で使用されている実際のコード自身の保護に限定されており、全体的な概念やアルゴリズムには保護は及ばない。マイクロソフトは、ゴー・コンピュータが所有しているコードを製品では使用していないと考えられる。ゆえに、法的には侵害行為は発生していなかったであろう。(ヘンリー・チェスブロウ著 「オープンビジネスモデル 」p46) 

たしかにプログラムは著作権で守られています。しかし自作プログラムをパクられたとき、それは著作権侵害だ!と主張するには、ざっくりいうと以下の3つの立証が必要です。 

  • 自作プログラムにそもそも著作性があるか?プログラマーなら誰もでも知っているコードやサブルーチンには著作性なし)
  • 自作プログラムのうち、著作性がある部分が他社プログラムに組み込まれているか?(出力が同じでもコードが書き換えられていると厳しい)
  • 他社プログラムが自作プログラムを参考にしたといえるか(参考にしてないと言い切られたら著作権侵害ではなくなる) 

つまりプログラムを守るのに著作権という武器は心細いということです。著作権はプログラムを作成した時点で誰もが持てる権利です。しかし著作権という武器を振りかざすには、これらの条件をクリアしなければならず、クリアできなければ単なる自作プログラムに過ぎないということです。 

≪まとめ≫

プログラムの著作権侵害で勝てるパターンって、例えばソースコードを使用許諾の契約を切ったにも関わらずに勝手に使われたとか、外注先からソースコードの著作権の譲渡を受けたにも関わらず外注先が同じソースコードを他社に提供したとかじゃないかなって思います。ようは上の3つの要件を明らかにクリアしている場合でないと勝つのは厳しいかもしれません。

2014年6月4日

著者 ゆうすけ

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