特許権を移転するときに確認すべきことと移転申請に必要な書類及び記載する内容
特許は無形資産だから活用しようという動きが活発で、移転に関する相談もけっこうあります。でもその状況に応じて提出する書類に書くことや印紙代がちがうんです。
そこで特許権を移転するときに確認すべきことと移転申請の必要書類に記載する項目についてまとめました。
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Ⅰ.特許権の移転に関する確認事項
まずは最低限、下記のことを確認することをオススメします。
□ 今回の特許権の移転は、譲渡か?
⇒会社合併(一般承継)の場合は書類が異なるため要注意
□ 特許をもらう人(譲受人)は誰?あげる人(譲渡人)は誰?
⇒譲渡人が移転申請する場合は、単独で申請手続が可能
□ 移転に伴う対価は発生するか?
⇒譲渡証書に貼る収入印紙代の額が異なる
⇒無償譲渡の場合は、譲渡証書に「上記特許権は~貴殿(貴社)に無償で譲渡したことに相違ありません。」のように記載する。有償の場合も同じ。
⇒なお一般的に、無償譲渡の場合(または譲渡証書に具体的な契約金額が書かれていない場合)でも200円の収入印紙を貼り付けることもあるが、特許庁の申請手続においては貼り付けなくても問題はないとのこと。また有償譲渡の場合でも、収入印紙を貼り付けないで提出して特許庁上OKだった事例あり。
Ⅱ.特許権の移転申請に必要な書類及び記載する内容
主に以下の2つの書類を特許庁に提出します。それぞれに記載する項目もあげます。
1.特許権移転登録申請書
□ 収入印紙15,000円の貼り付け(譲渡の場合)
□ 特許番号
□ 登録の目的=本特許権の移転
□ 申請人(登録権利者)・・・特許権をもらう人(譲受人)の住所,名称,代表者,㊞
□ 申請人(登録義務者)・・・特許権をあげる人(譲渡人)の住所,名称,代表者,㊞
□ 添付書類の目録=譲渡証書
2.譲渡証書(譲受人が手続するなら「譲渡証書及び単独申請承諾書」でOK)
□ 収入印紙○○○円 ※なくても特許庁上はOK
□ 割り印(譲渡人のみでOK、印紙を貼らなければ不要)
□ 譲受人の住所,名称,代表者,代表者印
□ 特許番号
□ 譲渡人の住所,名称,代表者,代表者印
<補足>移転申請書等のひな形
納付書・移転申請書等の様式(紙手続の様式)で「特許(PDFかワード)」を選択して開くとひな形がゲットできます。
≪まとめ≫
特許権の移転はあげる方ともらう方の合意の下で行われるため、書式のミスとかあって申請手続が遅れたり書類の出し直しとかが発生すると大変です。必要事項はちゃんと事前に確認し、不備がないようにすることをオススメします。
2014年5月21日
著者 ゆうすけ
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