地方発NPOに朗報!B級グルメを商標登録するメリットと、登録しないデメリット
地方を盛り上げる活動を行っているNPOの中には、B級グルメの普及に取り組んでる方々もいます。B級グルメのネーミングと商標登録の記事は以前にも書きましたが、いよいよ法律が改正されてNPOでも「地域団体商標」というお得なルールの対象になります。
そこで地方発NPOに朗報にもなる、B級グルメを商標登録するメリットと、登録しないデメリットをまとめました。
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NPOとしてブランドを育てられる
NPOの活動を知ってもらうには、B級グルメの商品名や組織名を広めないといけません。宣伝だろうが口コミだろうが、ネーミングが伝わらないと、全国どころか地元の人たちにも知られません。
つまりネーミング(商標)は認知度を高めるために必要なものであり、これが長年つかわれることによって、ブランドとして育っていくわけです。
今までは商標法のルール上、NPOだと登録が認められにくかったんです。地域団体商標というルールでNPOは対象外だったから。でも今度からはNPOも対象となるため、ブランドを育てられるようになりました。
現在の制度では、登録を出願できる主体は農協など事業協同組合などに限られており、登録されている地域ブランドは、農産物や伝統工芸品など地域の特産品が大半だ。
このため商工会議所やNPO法人などが地元で人気の「B級グルメ」を登録しようとしてもできなかった。法改正で新たに商議所やNPO法人も登録できるようになる。(2014/3/11 「B級グルメや音・色も登録商標に…関連法改正へ」)
商標がパクられ活動が行き詰るリスクあり
範囲を広げず地方でこじんまり活動しようと思っても、全国的に知ってもらわないと話題にならないため、地方でもブランドを育てるのは必要な作業です。そのため全国ニュースで取り上げてもらえるよう、B級グランプリやその他イベントに参加するNPOもあるはずです。
しかし知られれば知られるほど真似するパクリ業者がでてきます。なぜなら名前をパクれば手っ取り早くブランドに相乗りできるからです。そしてパクリ業者の商品が本家よりもでき損ないだと、本家ががんばって築いたブランドに傷がついてしまいます。
それにB級グルメを「地域名+素材名(食品名)」とすると、そもそも誰でもつかってそうな一般名称っぽいので、いろんな人にブログとかで知らぬ間に「〇〇〇(B級グルメの商標)たべた!」とか書かれると、商標としての価値が下がって、あげくの果てに本当に一般名称になってしまいます。そうすると商標登録できなくなります。
≪まとめ≫
傷ついたブランドを修復するのは大変です。改名は相当インパクトがあるからです。また一般名称になる前に、早めに商標登録することをオススメします。
2014年3月13日
著者 ゆうすけ
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