大企業の特許や商標の情報をキャッチするメリットと、キャッチしないデメリット
新しい特許は年間35万件くらい、商標は年間10万件くらい申請されています。ピーク時より減ったとはいえ、決して少なくはありません。業界やライバル会社の情報を効率良く入手することは、中小企業にも大切なことです。
そこで大企業の特許や商標の情報をキャッチするメリットとキャッチしないデメリットをまとめました。
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世の中の課題にキャッチアップできることがメリット
メリットは、最先端の情報を入手できるという点です。大企業が何してるか?そんなのかんけーねー!っていう方はこれ以上読まないほうがいいです。時間がもったいないから^^;
特許の公開情報で一番つかんでおいたほうがいいのは、世の中にどういう課題があるか?ということです。特許は世の中の課題を解決する「手段」に対して権利がもらえます。つまり課題をクリアできないと特許にならないんです。
どんなふうに課題が書かれているかというと、例えばウェブサービスなら「ユーザーが商品を購入するときに情報入力の手間を軽くする」や「ユーザーが買いたい商品を間違わず確実に購入できるようにする」とか。
新しいビジネスのアイデアって、ぼくらの私生活でこまっていることから逆算して見つけ出さなければ、売れるものにはなりません。そしてその困っていることが、解決すべき課題となります。何に困っているかはお客様にお聞きするのが手っ取り早いかもしれませんが、業界的にどっちに向かって進んでいるのか知っておくと、会社経営にも役立つはずです。
商標の公開公報からは、企業の事業内容や将来的な商品展開がわかります。商標は販売する商品やサービスとセットで登録しないといけません。だから○○○会社は△△△(商標)を□□□(商品)につけて売るんだ~ってわかるんです。ちなみにかしこい企業の場合、主力商品だけじゃなくて、近い将来売ろうとしているサブ商品も含めて登録しています。
リスクしかないことがデメリット
デメリットは、せっかく考えたのに、いつの間にかどこかの会社に登録を先取られていたことに気づかないという点です。最近では商品を販売する前に、特許や商標の登録状況を確認している中小企業が増えてきました。これはひとえに、先取られた特許とかぶってたら、将来的に損するという事実が認知されてきたからでしょう。
また登録されていなくっても、特許や商標の申請がされていたということは、そのアイデアはもう陳腐化していくわけです。特許の場合、申請してから1年半後にアイデアが公開されます。だから特許が取られなければ、そのアイデアはみんなのものになり、もはや誰にも独占できなくなり、下手したらレッドオーシャンになりかねません。
≪まとめ≫
このように特許や商標の情報をキャッチするのは、重要かつ有益なことです。新たな企画を検討するときはぜひこれらをチェックしてみることをオススメします。
2014年3月12日
著者 ゆうすけ
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