商標関係の書類は重要か?ぶっちゃけ登録証は失くしても再発行できるから大丈夫
公開日:
:
商標1分講座
クラウドや電子書籍のおかげで、だいぶ紙から電子情報に切り替わってきたようです。ぼくも電子情報そのものや情報管理の仕方に慣れてきたので、紙媒体の所持量がかなり減りました。ぶっちゃけガンガンすてます^^。
そんな整理整頓についてレバレッジの本田直之氏がしたコメントの中で、商標関係の書類について言及した部分がありました。
photo credit: Kat…B via photopin cc
商標関係で残しておくべき書類とは?
レバレッジの本田直之氏は基本的に紙は捨てるそうですが、 唯一残しているのが契約書と商標関係の書類だといいます。でももし商標関係の書類は紙として保存しておくべきか?と聞かたら、保存しておくべき書類はほとんどないとぼくだったら答えます。
本田 領収書は集めておいて、会計をしてもらっている人に渡します。そこはアウトソーシングですね。紙の状態でとっておくのは契約書や、商標関係の書類ぐらい。郵便物や手紙もチェックしたら捨てるようにしてます。(引用:東洋経済オンライン 2014/2/28「モノが少ないと、快適に働ける」)
結論として、取引先と交わした書面(たとえば、商標権をあげたりもらったりしたときにお互いに印鑑を押した譲渡契約書など)は大切だけど、特許庁とやり取りした書面(商標登録の申請書や商標登録証)は事業を行う上で必要なものではありません。もちろん商標登録証を会社にかざったりしておけばアピールになりますが、直接事業に関係ある書類とはいえません。
商標登録を持っていることを正式に証明できるのは商標登録の原簿
商標登録証ってこんな感じなんです(上部分のみ)↓。A4サイズで表彰状みたいなもんです。
商標登録証には登録した商標と指定したカテゴリーの商品が書いてあります。だからこれを見れば登録した内容がわかり、ひいては商標権の範囲がわかります。しかし商標登録を持っていることを正式に証明するには、商標登録の原簿というものを特許庁から取り寄せなければなりません。
商標登録の所有者がかわったり登録を更新するときに指定したカテゴリーを減らしたりしたら、特許庁が商標登録の原簿を書き換えます。つまり商標登録の最新情報が商標登録の原簿にのっているため、商標登録を持っていることを正式に証明する証拠になります。一方、商標登録証は一度受け取ったら最新情報を加えることができないため、商標登録を持っていることを正式に証明することはできません。
商標登録証を失くしても再発行できる
だから別に商標登録証を失くしても事業上困ることはほとんどないでしょう。もし失くしてしまったら再発行すればいだけです。特許庁には「商標登録証再交付請求書」という書類を提出します。詳しくはリンク先をご覧ください(画像©特許庁)。
≪まとめ≫
商標関係の書類は重要か?というと、事業に直接関係するほど重要な書類はほとんど無いものの、商標登録証や譲渡契約書など会社が保有する無形資産を管理するためには必要な書類です。だからすぐにポイせず、迷ったら専門家に相談することをオススメします。紙としては必要ないけどPDFなどデータにして持っておけば安心、というものも中にはあるからです。
2014年3月1日
著者 ゆうすけ
関連記事
-
事例で学ぶ図形商標の調べ方-くまモン®のイラストは商標登録されているのか?
よくあるご質問シリーズです。 登録商標の検索といえば、称呼検索がメジャーです。でもこれ
-
ウェブサイト上で商標登録表示「®(Rマーク)」をつけておくと安心な3つの場所
世の中にはいろんな名称があって、え、これって商標登録されてたの?なんていう普通っぽいのもたく
-
商標登録できない普通っぽい名称でも、自分の商標です!というちょっとした工夫
商品名やサービス名の商標登録が認められるには、それらが普通っぽい名称じゃないか?と、似た商品
-
ロゴか文字か迷ったときどっちで商標登録すべきか簡単に判断する方法
ブランドづくりにネーミングは欠かせません。会社のブランド、商品のブランド、シリーズもののブラ
-
商標登録して10年後に更新するかしないか迷ったときに判断する3つの目安
商標登録は、登録料を払った後(登録後)、10年間(または5年間)権利を維持できます。その間に