国家資格に依存しない働き方を追求するために持つべき3つの強み
ぼくは弁理士に登録してから4年、トータルの実務経験が7年になります。この7年間で、中小・ベンチャー企業、スタートアップ、個人事業主のお客様が抱える知的財産権の課題に真摯に取り組み、解決してきました。
弁理士の仕事のメインは特許や商標を取るお手伝いです。でもそれだけではなく、誰かの特許にひっかからない対策、特許が原因で起きたケンカ、特許の貸し借りの契約、新たな企画でうまれた特許の検討など、厚みあるキャリアとそれぞれに対応できる柔軟な思考力を養うことができました。
その間強く意識したことは、国家資格に依存しないことです。つまり資格もっているからえらい、営業しない、一生安泰だ、とは一度も思ったことはありません。弁理士に限らず士業の強みは、社会的地位を得られることです。無いよりも信用力があることは確かです。しかしそれに依存したらそれ以上の成長が見込めないと考えています。
そこで国家資格に依存しない働き方を追求するために持つべき3つの強みを整理しました。
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わかりやすく説明できること
資格者の常識は、お客様にとっての非常識です。そのためぼくは法律用語を簡単な言葉に置き換えて説明しています。たとえば特許がダメ出しくらったときに受け取る通知を「拒絶理由通知」といいますが、ぼくは「審査官からの文句がきた」とお客様には話しています。
またあいまいなアドバイスはせず、例えば特許をとるメリット・デメリットや侵害のリスクを正確に伝え、その中でぼくがオススメする一手を提案しています。その際は図表や事例をできるかぎりつかって、効率よく説明するようにしています。こうすることでお客様が判断に迷わず、かつ納得して方針を決められます。
事業ありきで提案できること
例えば特許をとるときはA先生、契約の相談はB先生、と区切ることはお客様にとってマイナスと考えています。なぜならお客様は特許をとった方がいいのか、だれかと特許の契約をしたほうがいいのか、自分では判断できないからです。
そのためまずはお客様の事業内容をヒアリングし、その事業の進捗や実績や見込みをふまえて、特許だけじゃなくて商標のアドバイスもしています。逆にいえば、事業に真っ先に必要な会社名や商品名、つまり商標のアドバイスをしなければ、なぜ特許をとるべきかお客様は理解できないからです。
ノウハウを体系化していること
資格業をしていると、相談はあちこちから突然きます。そしてそれらの相談はいろんな顔をしてやってきます。だから同じ内容でも回答の書き方は変わることがあります。しかし変わるのはあくまでも表現の部分で、コアな部分は変わりません。つまりパターンは有限ということです。
ぼくは弁理士登録後3年間で300件の相談に対応した実績があります。そしてそれらの軸となる対応のノウハウを記録化し、いつでも使えるようにしています。このブログでもその一部を公開しています。そうすることでノウハウに汎用性を持たせています。そしてこれはぼくの回転数をあげる仕事道具となっています。
≪まとめ≫
これら3つの強みは士業やコンサルタントの先生方に必要なものです。強みとして当たり前な項目を自分にあてはめられるかどうかが肝ではないでしょうか。
2014年2月10日
著者 ゆうすけ
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