サロンのアイデア事件簿その2 ライバルの特許グッズを真似してた!?
サロンもサービスだけでなく、グッズ販売など事業を拡大しているところがあります。社運をかけたアイデアなので特許をとりたい、という話はけっこうあります。そういうサロンにとって特許は市場戦略の一つなのです。そのため特許を真似されたら大問題です。
そこでライバルのメイクサロンが密かにとっていた特許グッズを、知らずに真似していたらどうなるでしょうか?
ライバルから手紙が突然きた
ここでライバルの特許グッズは、くせ毛になやんでいる人でも簡単にセットできるヘアブラシとします。一方、こちらのヘアサロンでは、アシスタントが考えたオリジナルのヘアブラシを製造販売しています。このヘアブラシは口コミで広がって、売れ行きは上々でした。
すると、ヘアサロンに一通の手紙が届きました。どうやらオリジナルと思っていたヘアブラシですが、ライバルのサロンに特許をとられていたようです。そしてライバルのサロンから、直ちにヘアブラシの販売を中止するように要求されました。確かによく見ると似ています。念のため弁理士に相談したところ、ライバルのヘアブラシの特許と同じでした。
しかしこちらはライバルサロンがヘアブラシの特許を持っていたことを知りようがないし、宣伝せず店内でのみこっそり販売していました。このような場合でも販売を中止しなければいけないのでしょうか?
小さなアイデアが特許になったりする
結論をいうと、販売だけではなく、製造も停止しなければなりません。特許がとられているのを知らなかった、宣伝せずにこっそり販売していただけ、という言い訳は通じません。それが特許の効力なんです。
さらに口コミで広がり売れ行きが上々だった分、ライバルサロンのヘアブラシの売れ行きが伸び悩んでいました。そのためライバルサロンは、売れなかった分のヘアブラシの粗利を支払うよう要求してきました。そしてヘアブラシを考えたアシスタントを問いつめたところ、実はライバルサロンのヘアブラシを真似していたことが発覚しました。
このようにオリジナルで考えたグッズと思いきや、ライバルが先に特許をとっていることがあります。なぜなら似た商品がたくさんある業界では、似た特許がたくさんとられているからです。もしライバルからグッズの販売停止を要求されたら、在庫分がパーになってしまいます。
まとめ
オリジナルグッズを製造販売する前に、ライバルの特許にひっかかっていないかどうか調べておいたほうが無難です。もしライバルの特許にひっかかっていたら、商品を改良することをオススメします。
2013年5月30日
著書 ゆうすけ
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