特許庁のデザイン登録の画像検索支援ツールは役立つか?使い方と注意点まとめ
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意匠
デザインプロダクトのスタートアップも増えており、意匠(デザイン)登録の重要性も高まる可能性があります。そのため、第三者の登録済みデザインに類似しないように注意もすべきです。
ところが、登録済みデザインを特許庁のデータベースで検索したとしても、探したいデザインがうまくヒットしません。なぜなら、デザインなのに文字検索しかできないからです。
そこで先日(2015/10/1)、特許庁は登録済みデザインの画像検索支援ツールをリリースしました。無料で使えるため、これは画期的だ!と思ったので、使った感想と注意点をシュエしたいと思います。
photo credit: Intern’s final presentation via photopin (license)
手間いらず!画像をアップロードすれば検索可能
↓ガイドラインに手順が書かれていますが、使い方は簡単です。ステップ1で、トップ画面の指定場所に画像をアップロードするだけ。さらに、ステップ2で検索条件を絞って検索の精度を上げることもできます。
<引用:画像意匠公報検索支援ツール ガイドライン>
スマホ画面を試しに検索してみた。。。
↓というわけで、まずは以下のスマホ画面(スクリーンショット)で検索してみました。
↓トップ画面から、「ファイルを選択」又はドラック&ドロップで上のスマホ画面をアップロードします。すると、以下のようになります。検索モードの条件設定はしていません。
↓以下が検索結果のサムネイルです。それなりに似ているデザイン登録済みのスマホ画面がヒットしたようです。ただ、ぼくがアップロードしたスマホ画面とヒットした登録済みのスマホ画面とが本当に似ているかどうかはちゃんと検討が必要です。
文房具を試しに検索してみた。。。
↓次は文房具です。目の前にあったのがこれだったので、横向きに写真撮ってみました(以下)。これをさっきの手順通り、画像をアップロードします。
↓こんな感じです(以下)。そして今回は、条件設定で、「意匠分類」を指定しました。意匠分類の説明を簡単にすると、この文房具のカテゴリーです。このカテゴリーは特許庁が決めています。そこで、「F2?」 (F2は、筆記具、事務用具等)とします(”?”はあいまい検索)。
↓以下が検索結果のサムネイルです。ありゃ?なんだかよくわからないのがヒットしてます。そこで他の検索条件(意匠分類の再設定、モード選択等)をトライしましたが、結果はいまいちでした。
≪まとめ≫
検索のやり方自体はシンプルだと思いますが、検索の精度にちょっとまだ物足りなさを感じてしまいました。特に、文房具など物体のデザインを写真にとって、その写真上のデザインと似た登録済みのデザインを検索するのは厳しいかもしれません。
ぼくもまだちょっとしかトライしていないので、より検索の精度を高められる使い方があったら、またシェアしたいと思います。でも、検索にチューニングが必要だと、”支援ツール”にはならないような気もしますが。。。
最後に、ガイドラインに記載されている注意事項を引用します。特に、クリアランス(他人の登録済みデザインの権利を侵害しないよう回避すること)のためにこのツールを使う場合は注意することをおすすめします。
<引用:画像意匠公報検索支援ツール ガイドライン>
2015年10月6日
著者 ゆうすけ
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