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個人発明家にありがちな特許の勘違いと特許料収入を得るための具体策の提案

公開日: : 最終更新日:2015/10/11 ビジネスモデル, 特許

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あの商品は特許が取れたからヒットしたんでしょ?という質問をされることがあります。ヒット商品と特許の因果関係って、よくわかりませんよね。

これに対する回答は、一言ではいえません。なぜなら、逆に特許が取れなかったらヒットしなかった!、とは言い切れないからです。

特許は商品をヒットさせる絶対条件ではありませんが、特許がなければヒットに至らない場合もあります。この辺が特許のメリットをわかりやすく伝えられない原因かもしれませんね。

そこで今回は、個人発明家にありがちな特許の勘違いと特許料収入を得るための具体策の提案を整理しました。

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個人発明家は特許をとれば儲かると勘違いしがち

アイデア商品で一儲けしたいと考えている個人発明家にありがちなパターンはこんな感じではないでしょうか。

「アイデアはあるけど、それを製造するお金も設備もないし、売る手段もない。だからこのアイデアをだれかに買ってほしい。そうだ!特許をとろう!そうすれば特許料収入をゲットできる!」

この発想をステップにわけると、以下のようなイメージです。この発想とステップには多くの欠陥があるのにお気づきですか?

まずそもそもそのアイデアが面白いかどうか(売れるアイデアなのか)がわかりません。個人発明家でありがちなアイデアが練られていないしくじりです。

にもかかわらず、いきなり特許出願しちゃうんです(ステップ1)。最近はやりの「いきなりス〇ーキ」と同じノリで特許出しちゃうのは、いかがなものでしょうか。

もちろん、特許は早い者勝ちなので、その観点は悪くありません。だけど、売れないアイデアで特許をとっても、残念ながら意味がありません。つまらないアイデアだと特許もつまらないからです。

だから、つまらない特許と契約する人なんていないから、特許に伴う契約(ステップ2)はありえない。つまり、特許料収入(ゴール)もありえない、というのが実態です。

商品が売れない限り特許料収入は厳しい

じゃー特許で収入を得るにはどうすればいいんだよ!だから特許ってよくわかんねーだよ!って言われそうですね。おっしゃるとおりです。

この課題に対して、誰でもこうすれば儲かる!というちまたのビジネス本のようなテクニックは、まだ世の中に存在していません。誰か考えてほしいものです(笑)。

でも、ぼくは研究内容や弁理士経験から推測すると、以下のステップが王道かな~と思っています。ようするに、商品の売れ行きや事業の拡大に伴ってあらわれるパクリ業者から守るのが特許の役割なわけです。

さっき説明したしくじりパターンと違う点をご説明します。

まずは、試作品作成と試作品の評判測定です(ステップ1)。個人発明家がまずすべきことは、自分でやってみることです。やってみて、その評判を聞いて、改良して、またやってみる。その繰り返すが大事です。

アイデアの評判(使いやすさや必要性)のみならず、もっとこうしたらいい改良案もすごく大切です。こうやってブラッシャアップして、商品そのものの価値(売れる可能性)を高めるわけです。

ただし、ステップ1で注意すべきは、アイデアの新規性を失わないこと家族や知人でも本来的には秘密保持契約をすべきですが、少なくとも他者に口外しないように文章でお願いし同意を得るのが安心です。

評判を得て、改良のアイデアも洗い出したら、いよいよ特許出願です(ステップ2)。ステップ2で注意すべきは、特許の内容(特許請求の範囲)ですね。また、改良のアイデアや将来的なバージョンアップを見越して特許出願の書類を作成すべきです。

ちなみに、ステップ2はプロ(弁理士)に任せるべきです。自分で書類つくったら特許を取れないわけではありませんが、特許の内容がよくないため、せっかくのアイデアを守れないリスクがあるからです。

特許がとれた前提で話を進めますが、特許とっていきなり大手企業に売り込みにいっても、おそらく相手にされないでしょう(相手にされた話をぼくは残念ながら聞いたことがありません)。特許があるから商品を採用するわけではないからです。

だからマーケティングや宣伝や営業が必要です(ステップ3)。ステップ1で契約先が見つかっていればいいのですが、パクリやアイデアの新規性を失うリスクを避けたいので、やっぱりステップ3は必要でしょう。

このとき、商品の実績(評判測定結果)などで商品の価値(売れる可能性)が伝わったとしたら、はじめて特許を取った意義が出ます。つまり、採用する側としては、商品の価値がわかっても特許で保護されていない商品を採用しにくいからです。

最近では、大きい会社ほど知的財産の取り扱いに注意しています。商品リリース後に他社から特許侵害で訴えられるのは困るからです。気安く外部からアイデアを採用できない時代なのかもしれません。コンプライアンスってやつですね。

こういう段階を経て、ようやく特許に伴う契約に進みます(ステップ4)。この場合も、売り込み先によっては上下関係が生まれるので、不利な契約を一方的に押し付けられることがないとは言えないので、注意が必要です。

プロダクト品なら、製造委託先や販売先との契約が考えられます。例えば、製造委託先が考えた改良アイデアについて勝手に特許を出されるリスクがあることを忘れてはいけません。

アイデアよし!特許内容よし!!契約内容よし!!!これでようくやっと特許料収入(ゴール)に辿り着きます。ただし、特許料収入(ライセンスフィー)はだいたい売上の1~5%が相場。ようは商品が売れなきゃ稼げないので、ステップ3と4は継続すべきでしょう。

≪まとめ≫

特許に対する誤解と、ヒット商品と特許料収入の因果関係、イメージしていただけましたでしょうか。個人発明家が特許で稼ぐ方法をザックリといえば、こんな感じだと思います。もちろんこれ以外のパターンもあればリスクもあります。言えることは、特許をとっても簡単に儲けられるうまい話はない、ということです。

2015年10月10日

著者 ゆうすけ

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