中小企業が休眠特許を使うメリットは技術開発の時短!情報の活用を意識する時代
先日(2015/6/19)に決定された「知的財産推進計画」のうち、地方における知財活用の推進の具体策として、休眠特許の活用が検討されています。
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休眠特許を活用して技術開発を時短する
▽大企業や大学などが保有しているものの使われていない、いわゆる「休眠特許」を中小企業が活用できる新たな仕組みを作るとともに、▽都市部の専門家を地方に配置し、中小企業が知的財産を活用できるようにするための支援体制を強化するとしています。
<引用:2015/6/19「「知的財産推進計画」決定 休眠特許の活用が柱」by NHK>
景気が上向いているためか、大企業がだいぶ元気を取り戻してきたようですね。日経平均の上昇も、単なる投資家の影響だけではないと、個人的には感じています。
そのため、中小企業もリーマンショック直後に比べたら調子がよくなってきたはずですが、アベノミクスの恩恵を受けていないという声も聞こえます。
昔から、企業に不可欠なのは、「人・モノ・金」と言われています。さらに近年では、「情報」も加わりました。
そして、中小企業がもっと元気になり、大企業に依存しない経営をするには、「情報」の収集・発信・活用が必要だと思うんです。
「情報」の収集と発信は、インターネットで手軽にできるようになりました。でも、「情報」の活用については、あまり意識されていないように感じます。
「情報」の活用とは、コストをかけずに利益をえること。つまり、必要以上に投資せず、既存の情報を基にして、経営につなげる意識を持つべきではないでしょうか。
その点、休眠特許は、既存の情報でも付加価値の高い部類です。なぜなら、大企業は特許をとるために研究開発したり人を使ったりしているからです。
だから、アイデアだけあっても、中小企業が大企業と同じ特許をとるのは簡単ではありません。さらに、その特許を製品化するには、ノウハウが必要です。
休眠特許を活かす最大のメリットは、時間短縮。自社でゼロからはじめることに比べれば、大企業の特許とノウハウはお得な買い物ではないでしょうか。
≪まとめ≫
小泉内閣で知的財産立国がうたわれたのが2003年。あれから12年たった今、さらに具体的な知財推進計画が動くことに期待する反面、ポシャらないように知財の専門家の一人として貢献したいと考えています。
<関連>大手メーカーが休眠特許を大売出ししたら後発企業や中小企業は儲かるのか?
2015年6月21日
著者 ゆうすけ
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