会社の知財を守る基本方針の作り方で参考になる経産省の資料
公開日:
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最終更新日:2015/05/18
特許
知財を守るといっても、何をどうすればいいかはまだあまり知られていないように感じます。他にやるべきことが盛りだくさんだとしても、、手遅れが命取りになるのも知財の怖さです。
知財は今や国レベルの課題で、ニュースで取り上げられることも増えました。そのため、国(特に経産省)も知財管理に対する後方支援に力を入れているようです。
そこで今回は、国の委託研究開発における知財マネジメントのガイドラインを参考に、知財を守る基本方針の作り方をご紹介します。
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知財が事業にどう関係するかを知る
知的財産マネジメントに係る基本方針(p18)
日本版バイ・ドール制度の目的(知的財産権の受託者帰属を通じて研究開発活動を 活性化し、その成果を事業活動において効率的に活用すること)及び本プロジェクト の目的を達成するため、本プロジェクトにおいては、以下の知的財産マネジメントを 実施することを原則とする。
<引用:2015/5/15「委託研究開発における知的財産マネジメントに関する運用ガイドライン」>
このガイドラインは、国が企業や大学に委託研究したとき、受託者(企業や大学)が知財に関するケアをちゃんとしてくださいね、ということを示したものです。
国が委託する研究テーマということは、その先(事業化)も見越しているはずです。そのため、知財も管理して、有効に活用してほしいという意思が伝わってきます。
たとえば、受託者が複数いる場合、それらの会社や大学間で知財をどう扱うかについては、研究開発そのものと同じくらい重要な取り決めです。知財が原因でトラブルにもなりかねないからです。
そこで、知財マネジメントの実施体制の整備、秘密保持、研究成果の第三者への開示の事前確認などについて、知財マネジメントの基本方針として規定するのが狙いです。
これらの内容は、単体の事業会社にも共通している点が多々あります。特許だけじゃなく商標や意匠の管理体制の整備やノウハウに関する秘密保持の取り決めは、会社としてもはや当然の決め事とも言えからです。
≪まとめ≫
知財を守る基本方針をはじめからカッチリ作り込むのは厳しいでしょうから、最初は大切な項目から立て、その中身を各社の事情に合わせて加えていけば十分でしょう。基本方針があれば知財活動のPDCAサイクルもまわりやすくなるのではないでしょうか。
2015年5月17日
著者 ゆうすけ
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