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知的財産の横取りはナンセンス?クリエイターが提供するコンテンツで稼ぐ時代!

公開日: : ビジネスモデル, 著作権

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日本の産業のメインが、製造業からコンテンツ業に変わりつつあります。製造業で活躍していた大手企業が軒並み経営難で苦しんでいる一方、コンテンツ業で活躍している新興企業に注目が集まっています。

そんな新興企業の筆頭といえばLINE。そしてLINEのメインコンテンツといえばスタンプ。キャラクターの表情やポーズで相手と意思疎通を図る新たなコミュニケーションツールとして人気です。

そして今ではクリエイター個人でもスタンプを提供でき、その平均販売額が1億円を超えたというニュースが報じられました。クリエイターにもうま味あるコンテンツの取り扱いが決め手かもしれません。 

photo credit: Transmission 4 via photopin (license) 

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クリエイターの知的財産活動を支援するLINE

「LINE Creators Management」では、クリエイターと企業、ライセンシーなどをつなぎ、スタンプキャラクターを用いたタイアップ企画や商品化、商標出願サポート、海賊版対策などの支援を行う。

<引用:2015/5/19 「LINE自作スタンプ、上位10人の平均販売額1億円突破 商品化・ライツマネジメント支援サービス開始」by ITmediaニュース>

スタンプ事業が好調だからとはいえ、クリエイターが自分のコンテンツ(知的財産)を活用できるように支援するサービスを行うというのは画期的です。

というのも、クリエイターはスタンプをLINEのサービスに提供することが従来のビジネスモデル(スタンプの販売収入をクリエイターとLINEで分配)だったからです。

スタンプ同士のコラボ企画、企業とのタイアップCM、グッズ販売などが伸びれば、LINE自体の収益にもなるため、クリエイターのコンテンツを活かす新たなビジネスモデルと考えられます。

また、クリエイターのコンテンツ利用に関する規約は、以下のように定められています。

8.7. クリエイターは、本サービスを実際に利用することにより、当社に対し、本規約に定める範囲において本素材および本コンテンツを利用する権利(複製、翻訳、翻案、改変または公衆送信する権利を含みます。またこれらの権利を第三者に再許諾する権利を含みます。)を許諾したこととなり、当社はかかる利用権を取得します。また、クリエイターは、本素材および本コンテンツに関する著作者人格権を当社または当社の指定する第三者による上記範囲での利用に対しては行使しないことに同意したこととなります。

<引用:8. 本コンテンツの作成および利用 最終更新日:2015年5月12日>

LINEは「利用権 」という言葉をつかって、クリエイターのコンテンツに関与できるようにしています。スタンプの著作権やネーミングの商標権がLINEに横取りされることは、この規約上からは読めません。

クリエイターとしてはコンテンツの売り切りで収入を得るのではなく、今後は自分のコンテンツ(知的財産)を活かして継続的な収入が今まで以上に見込めるようになるかもしれません。

ちなみに、こちらは完全にコンテンツを提供するルールです(↓)。

応募アイデアに関する知的財産権は株式会社デアゴスティーニ・ジャパン(以下デアゴスティーニ)に到着した時点で、デアゴスティーニに譲渡されるものとさせていただきます。

商品化された応募アイデアに関する知的財産権についても、引き続きデアゴスティーニに帰属します。

<引用:週刊「○○」アイデアマン募集

≪まとめ≫

企業側もコンテンツ、つまり収入源の獲得には必死ということが推測できます。ただ、一個人のコンテンツを活かしてビジネスを拡大させるか?それとも、コンテンツを横取りして自社内で完結させるか?モデルは様々なので、クリエイターとしては注意すべき点といえそうです。

2015年5月19日

著者 ゆうすけ

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