知財管理はコンプライアンス・プログラムにすべきか?「コンプライアンスの実践知識」から学ぶ知財管理の重要性
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特許
コンプライアンス・プログラムとは、会社の従業員に対してコンプライアンスを遵守させるために作成した計画のことを意味します(ウィキペディア調べ)。時代背景や法律変更に伴って、コンプライアンス・プログラムは見直しが必要なはずです。
知的財産(IP、以下「知財」)の重要性は、大手から中小企業まで幅広く認識されてきています。自社知財の守り方や活用法から他社知財に対するリスクまで、取り組むべきことが実は沢山あります。
そんな知財に関して、社内の内部監査のみならず、社外の監査員が第三者の視点から見ることの必要性も高まっていると感じています。
photo credit: Analyzing Financial Data via photopin (license)
将来的には、日本においても知的財産権の重要性が大きくなるにしたがって、そうした監査が必要になることが考えられます。そうなれば、知的財産権法のコンプライアンス・プログラムも重要な戦略的位置づけがなされることになるでしょう。
<引用:「知らない」では済まされない!コンプライアンスの実践知識(PHPビジネス新書)>
知財といえば、特許や商標を登録する行為にフォーカスされがちです。この誤解が、知財管理の必要性がなかなか浸透しない理由なんじゃないかなって思うんです。
特許や商標登録に関係がない会社だとしても、他人の特許や商標や著作権を無視するわけにはいきません。ソフトの違法コピーやダウンロードの禁止ルールの作成と定期チェックも知財管理の一つです。
また最近では、休眠特許の活用や企業の特許開放活動が熱く、他社から知財を借りたり買ったりする機会が今後はもっと増えるはずです。そのときの契約内容の確認も、知財管理として行ったほうが安心です。
新たな知財を生むための知財管理、自社の知財を秘密情報として漏えい対策するための知財管理、他社の知財権を侵害しないための知財管理、他社との関係を良好に保つための知財管理など、目的は盛りだくさんです。
≪まとめ≫
コンプライアンス経営を勉強するために買った本でしたが、知財のことがけっこう大きく取り上げられていたのにビックリしました。でもそれくらい知財がコンプライアンスに欠かせないファクターだっていうことではないでしょうか。
2015年4月7日
著者 ゆうすけ
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