今さら聞けない「地域団体商標」とは? 地方創生と地域ブランド化に不可欠な要素
特許庁から「地域団体商標事例集2015」が発行されました。平成27年3月6日時点で574件の地域団体商標が生まれたようです。
っていうか、そもそも「地域団体商標」って知ってますか?
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今さら聞けない「地域団体商標」の意味
1.「地域団体商標制度」とは
例えば「大間まぐろ」や「米沢牛」、「下呂温泉」のような、地域名と商品・役務名を組み合わせた商標です。
ちなみに、商品とはモノ(有体)、役務とはサービス(無体)のこと。八百屋さんなら、野菜=商品、野菜の販売=役務、となります。
原則、地域名+商品・役務名の名称は商標登録できません。誰かに独り占めされたら、お土産屋さんなんかが困るからです。
でも日本各地には、地域名+商品・役務名の名称(「大間まぐろ」など)で有名になった名産がたくさんあります。
そんな地域ブランドの名称を保護できない(国として保護しない)のはまずいのでは?という声があったんです。
そこで、その地域の関係者(協同組合とか)なら、地域名+商品・役務名を「地域団体商標」として特別に商標登録を認めます!となったんです。
地方創生と地域ブランド化
平成27年3月6日時点で地域団体商標登録が多い都道府県ベスト3は以下です。
【登録の多い都道府県】
1 京都府(62件)
2 兵庫県(34件)
3 岐阜県(28件)
京都が多いということは、昔ながらの名産品や伝統工芸の名称が地域団体商標としてようやく登録された、といった感じでしょうか。
地方創生が実現すれば、新しい地域ブランドがもっと生まれてくると予想できます。だから地域団体商標登録件数の都道府県ランキングもかわるかもしれません。
平成26年8月1日から、地域団体商標登録の条件が緩和されて、NPO法人もOKになりました。つまり町おこしで地域参入したB級グルメの名称も商標登録できるんです。
地方発NPOに朗報!B級グルメを商標登録するメリットと、登録しないデメリット
ちなみに、昔ながらの名産品や伝統工芸じゃないと地域団体商標登録できないというわけではありません。それについては千葉県の事例がわかりやすいと思います。
ふなっしーの便乗だけじゃない!千葉県市川市はなしブランドの歴史が深い!
≪まとめ≫
地域ブランドは、長く生かし、うまく活かすしたいですよね。地方創生を狙うのにブランド化は外せません。地域内、そして地域外まで伝えていく上で、地域団体商標登録は大事な要素になってくるでしょう。
2015年3月10日
著者 ゆうすけ
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