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特許だけが技術の守り方じゃない!メトロールに学ぶ中小の製造業の生き残り術

公開日: : 最終更新日:2015/02/27 特許, 特許事例研究

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中小企業の活躍が期待されているためか、小さくても優良な企業がメディアで取り上げられる機会が増えているように感じます。そんなすごい会社があったんだ~と思うことも多いですね。

そんな企業紹介の記事で気になった部分があったのでご紹介します。東京都・立川市にあるメトロールという精密機器メーカー。立川市には以前住んだことがあるので、とても興味がわきました。

photo credit: Machine Crépelle via photopin (license)

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特許だけが中小企業の技術の守り方じゃない!

会社設立後間もなくして、自社開発した重要な技術を大手企業に盗用される事件が発生した。特許を取っていないこともあり、相手の大手企業は抗議に耳を貸そうともしなかった。怒った章は、その会社のトップに直接抗議の手紙を出して実情を知らせライセンス交渉に成功した。これによって、メトロールは存亡の危機を免れた。

<引用:2015/2/26 現代ビジネス「世界シェア7割を誇る中小企業 「驚きの秘密」を特別公開! 間接部門の肥大化が開発者の創造性の芽を摘む」>

中小企業だから特許なんて縁がないな~という社長さんの話をよく耳にします。特に創業時には開発や営業で手一杯で、特許どころでないのもわかります。

メトロールの場合、特許を持っていなかったものの、大手企業と技術ライセンス契約にまで持ち込んだのはとても参考になるし、勇気付けられる事例です。

特許がなくても戦える手段としては、不正競争防止法の差止請求や損害賠償請求があります。武器としては特許ほど力強くはないけど、泣き寝入りよりマシです。

ただしこれにはリスクがあります。ケンカを売ったことで相手が逆ギレし、損害賠償請求をやり返されることもあるんです。売れなかった商品の売上分を賠償されるとか。

そのためケンカを売る前に勝てるケンカかどうか事前にジャッジしておかないと、逆ギレされたときにイタいことになるので要注意です。

≪まとめ≫

特許を持っている会社がはじめから特許を持っていたわけではありません。自社の技術を特許ではない方法で守りつつ、徐々に製品開発力と特許力を高めていくのが理想的です。

2015年2月26日

著者 ゆうすけ 

世界に冠たる中小企業 (講談社現代新書)

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