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PayPal創業者いわく、著作権や特許は良い独占!知的財産権は社会の原動力!

公開日: : 最終更新日:2015/02/22 特許, 著作権

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PayPal創業者のピーター・ティール氏が、技術や事業の独占にも良し悪しがあるけど、著作権や特許は良い独占である、ということについて語っている記事がありました。 

なかなか深いな~と思うんですよね。そこで、法律の目的からさかのぼってこの言葉の意味を考えてみました。

photo credit: WIPO Celebrates Visionary Innovators via photopin (license)

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 知的財産権は社会の原動力!

良い独占というのは例えば知的所有権や著作権や特許などでもわかるように、政府は新しい発明を守ろうとしています。それは社会にとっては、どれだけ動的に作用するか、ということです。静的にするか、動的にするか、の違いは重要です。

<引用:2015/2/21 東洋経済オンライン 「“動的な独占”こそが、技術革新を加速する」>

著作権の法目的には、「・・・文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与すること」と書いてあります。

また特許の法目的には、「・・・発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与すること」と書いてあります。

これを見ると、著作権法は「文化の発展の寄与」、特許法は「産業の発達に寄与」という大原則があります。簡単にいえば、独占する権利ではあるものの、社会をよくするために貢献してね!というのが立法趣旨。

一方で、著作権では「著作者等の権利の保護」、特許法では「発明の保護」というくだりもあります。つまり発起人にもちゃんと得があるように定められているんです。

このことから、個人(または企業)が発案したものについては著作権や特許(独占権)をあたえ、少なくともその分の利益を守ってあげることも政府(制度)の役割といえそうです。

そしてこのような制度があるから、著作権や特許による恩恵を求める欲、他の著作権や特許を侵害しない注意、みんなで既存の著作権や特許を利用して共存する意識が生まれると考えられます。

ピーター・ティール氏の言葉には、そういった制度の目的や狙いがあるから、著作権や特許は社会に動的に作用するという意味があると思うんです。これって、知的財産権は社会の原動力ってことではないでしょうか。

≪まとめ≫

もちろん著作権や特許の使い方次第ではモノポリー化が進んで、一部の権利者のみが得して大部分が損をする社会的な構造にもなりかねません。知的財産権を上手に活用して社会の発展に貢献する意識も大切ではないでしょうか。

2015年2月21日

著者 ゆうすけ 

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