図解でわかる市場と特許と実施品とライバル品の関係
特許をとる場合、なるべく広く市場を確保できるようにします。つまり、ライバル会社が参入してきても、自分の領域を荒らされないように特許で守るわけです。
しかし実際に売り出す特許製品(実施品)は、特許の範囲の一部に過ぎません。だから実施品とは全く違う製品(ライバル品)を売っても、特許にひっかかるリスクがあります。
そこで、市場と特許と実施品とライバル品の関係を図解しました。
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市場と特許と実施品とライバル品の関係
マーケティングしてアイデアを具体化したものが実施品になりますが、特許を出す場合、この具体化にしたアイデアを抽象化してその範囲を広げます。
たとえば、実施品がiphone6だったら、特許の範囲はiphone6を含むアップル製スマートフォン、さらに市場はスマートフォン全般、というように、範囲が広がっていきます。
そのため実施品だけみてライバル品をつくるのはリスクが高いです。実施品は特許の具体例に過ぎず、特許は実施品より抽象的な表現で権利化されているからです。
図解すると、ライバル品が特許の範囲外だったらセーフ(緑)ですが、特許の範囲内だったらアウト(赤)。一方、特許の範囲か否か微妙ならグレー(黄色)となります。
≪まとめ≫
実施品と違うから特許の範囲から外れてる、というのは勘違いです。特許の範囲内か範囲外かを判断する場合、特許の書類に書かれている内容や特許が認められる過程を確認する必要があります。
2015年1月28日
著者 ゆうすけ
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