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食の安全も特許で解決!技術名を商標登録すればマーケティング対策にもなる

公開日: : 特許, 特許事例研究

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食の安全が求められる時代。ずさんな生産管理や虫などの異物混入のみならず、品質保持のニーズも高まっています。高品質=安全な食べ物というのも、言い過ぎではないかもしれません。

そこで品質保持に欠かせない食品の凍結技術で注目を集めている会社の知的財産活動をご紹介します。

photo credit: jblevine2004 via photopin cc

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特許+技術名の商標登録!

次世代凍結技術の一つで独自のプロトン凍結技術を使い食品加工やレストラン事業を手掛ける奈良市のプロトンダイニング(二宮大朗社長)が、全国から集めた新鮮食材を調理、冷凍加工する集中調理場を県内に新設することが4日分かった。
・・・
[ことば]プロトン凍結 磁石(均等磁束密度)や電磁波、冷風を組み合わせた菱豊社開発の凍結技術。急速冷凍の中でも液体凍結などとともに注目されている。凍結機は同社が特許を取得、プロトン凍結も商標登録している。

<引用:2015/1/5 沖縄タイムス「沖縄に新技術冷凍食品工場 アジアへ出荷拠点」>

「プロトン凍結」の特許は、2012年(平成24年)年11月1日に出願され、2013年(平成25年)年12月27日に登録されているようです(特許第5439655号「冷凍装置」)。早く審査してもらうワザ(早期審査制度)を利用したようですね。

特許の内容を読むと、冷凍室内が時間的に変動しない磁場(「静磁場」。つまり、一定の磁界が発生しているところ)になっていて、そこに入れた魚の体内の水分子が均等にならび、この磁場と直角に交わる電波が水分子を揺らして魚を冷凍する、という特許のようです。

このように冷凍すると、冷凍前の魚の新鮮さが失われないというメリットがあるとのこと。生鮮食品の流通が実現したのも、冷凍技術のおかげであり、「プロトン凍結」はその新しい技術として活躍しそうですね。

さらに「プロトン凍結」のうち、「プロトン」の部分を商標登録しているようです(登録第5048128号)。「プロトン」はもともと商品名のようですが、凍結技術の名称にも使えば認知されやすくなるでしょう。

≪まとめ≫

プロダクト(ハード製品)は、売っちゃうとその技術内容がばれるので、特許を出した方が無難です。ちょっとかえたら特許から外れるとしても、特許の存在はライバル業者にとっては脅威です。また技術名もマーケティング用に商標登録しておくと安心でしょう。

2015年1月5日

著者 ゆうすけ

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