地方の学生は知的財産学習に意欲的?伝統技術を活かす意識の高さに感動!
地域産業を盛り上げるために、地場に眠っている技術を掘り起こして事業化する動きが高まっているのを感じます。そこには、地元の高校生や大学生を巻き込んだ知的財産学習がかいまみれます。
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知的財産を活かして伝統技術を発信!
日本初とされる鉛筆工場があった地元の歴史を伝えるために大聖寺実高の生徒が考案した木製鉛筆が、商品化される見通しとなった。特許庁などが主催するデザインコンテストで支援対象に選ばれたことで、デザインを独占的に使用できる意匠権の取得が容易になった。同校は1月にも県外メーカーに働き掛け、「加賀の鉛筆」の販売を目指す。
<引用:2014/12/30 北國新聞「生徒考案の鉛筆を特許庁が後押し 大聖寺実高、商品化へ」>
年に1回行われるデザインコンテストの応募対象は学生で、主催は文部科学省、特許庁、日本弁理士会などです。知的財産活動を地方に根付かせる試みの一つのようです。
学生のうちからモノづくりに関われるのはすごく勉強になるでしょう。美術品のコンクールなどの出展とは違い、自分たちでつくったモノが商品になる経験はプライスレスなはずです。
今はまだ有志のようですが、高校生のカリキュラムに知的財産学習を取り入れるのもオモシロいかもしれませんね。伝統の技術を知的財産として扱う必要性は高まるからです。
例えば、オンリーワンの技法をノウハウとして伝承する仕組み、その技法の一部を特許化して独自性をアピールする戦略、思わず買いたくなる商品のネーミングやパッケージの工夫など。
このようなモノづくりと知的財産活動の組み合わせが、地域産業を盛り上げる具体策の一つになるはずです。それは商品の売行きをのばす戦略のみならず、技術の承継や融合を実現する戦略にも欠かせないからです。
それらのことを高校生のうちから学ぶことで、外部の人を巻き込んだこれからのビジネスモデルを、地元の人々同士で考えて実行する意識が高まるのではないでしょうか。
≪まとめ≫
2014年は本日で終了です!いつもご覧いただきありがとうございました!今年最後は、地域産業に関するエントリーで締めくくることにしました。2015年も知財ネタに引き続き注目したいと思います。それではよいお年を!
2014年12月31日
著者 ゆうすけ
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