特許は出し続けることに意味がある!小さな会社が大きな会社に勝つ具体的ツール
ユビキタスエンターテインメントの代表・清水氏の記事がとてもわかりやすかったので、ポイントを引用してまとめました。
photo credit: Melissa Gray via photopin cc
特許を知らなかったベンチャー企業
ベンチャーとかスタートアップって、ガンガンいこーぜモードだから、特許のことなんて考えてる暇がないっていう感じですよね。でも特許をないがしろにすると、足元すくわれます。
「この方式に特許がないことをビル・ゲイツは知ってしまった。彼らが本気になって日本で同様の事業を展開すれば、このちっぽけな会社に勝ち目はないだろう」
ほどなくして銀行は貸し剥がしを行い、そのベンチャー企業は倒産してしまいました。これが世に言うハイパーネットという会社の顛末です。・・・
<引用:2014/12/2 小さな組織の未来学 清水亮 「ベンチャー企業にとって、特許はジョーカーでなく“エース”」>
無料インターネットプロバイダーいいシステムを開発したとけど、その特許を考えていなかったことにより、資金調達先である銀行から貸し剥がしをくらって倒産したという事例です。
レッドオーシャンの中にあるブルーパドルを発見できれば、大企業にとってもプレミアムな金脈かもしれません。そのとき、せめて特許を出してると、大企業も簡単には参入できなくなります。
大企業を出し抜けるチャンス
特許をポーカーのカードにたとえるとわかりやすいですね。ワンペアよりツーペア、ツーペアよりスリーカード、スリーカードより、、、というように、ある意味”数”で勝負なところもあります。
特許やその他の周辺知財は、ベンチャー企業が他の大企業にはない価値を持っていると証明する唯一の武器で、これがあるからこそ、大企業からの単純な下請けではなく、レベニューシェアやプロフィットシェアを主張できるのです。
・・・
私の会社自身も、これまで何度となく特許に救われています。ソフトウェアの特許は日本では申請もややこしく、行使するのも比較的難しいのですが、それでも特許を定期的に出し続けているからこそ、会社の価値を社外から認められ、特許を応用した技術で事業が展開できているのです。
<引用:2014/12/2 小さな組織の未来学 清水亮 「ベンチャー企業にとって、特許はジョーカーでなく“エース”」>
しかしストレート(マークバラバラな連番5枚)よりフラッシュ(マーク共通な5枚)のほうが強いのと同様、”数”に力を入れても”質”が伴わないと強い役にはなりません。
それにそもそもいいカードをそろえるには、カードを引き続けなければなりません。これと同じように、いい特許をそろえるには、特許を出しつづけなければなりません。
そしてカードを引き続ける(特許を出しつづける)には、ゲーム(商品企画・技術開発)をしつつづけなければなりません。
でも逆に言うと、いいカード(特許)をそろえるために、ゲーム(商品企画・技術開発)をしつづけるというモチベーションにもなります。
さらにゲーム(商品企画・技術開発)をしつづけることで、ポーカーの腕(会社の基礎体力)も養えます。つまり特許活動は事業戦略の根本につながっているといえます。
≪まとめ≫
清水氏のような方が特許の有効性を語ってくれるとありがたいです。ぼくら弁理士が特許の専門家とあまり知られていないばかりでなく、事業と特許をリンクしてわかりやすく説明しないと、読んでる方も実感がわかないと思うからです。だからぼくはいろんな事例を紹介することで、特許の有効性や具体的な特許活動を発信したいと考えています。
2014年12月2日
著者 ゆうすけ
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