ビジネスモデル特許の登録率は53%(2012年度特許庁調べ)
基本的なことをわかりやすく伝える情報発信を心がけています。先回は今さら聞けないビジネスモデル特許の意味をお伝えしました。
今回はビジネスモデル特許の登録率がテーマです。
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ビジネスモデル特許の登録率は53%
軍資金がないITスタートアップにとって特許は大きな出費です。しかも登録されるかどうかは審査次第。なけなしの資金がパーになる可能性もゼロではありません。
しかし申請されたビジネスモデル特許のうち、半分以上は登録されるというデータが出ています。
・・・2012年には暫定値で約53%まで上昇しています。・・・出願人側で出願の厳選や適切な補正等の対応が進んできたことによるものとみられます。
<引用:特許庁「ビジネス関連発明の最近の動向について」>
グラフ上の折れ線グラフのうち、青い線(右縦のパーセンテージ)が特許の登録率(特許査定率)で、2012年は53%です。
またグラフ上の棒グラフのうち、青いグラフが特許の登録が認められた件数(特許査定件数)、ピンクのグラフが特許の登録が認められなかった件数(拒絶査定件数)です。
ビジネスモデル特許の申請ブームがはじまったのは2000年。そして2000年に申請されたもので審査されはじめたのが2002年あたり。それから2011年まで約10年間ずーっと特許の登録が認められなかった件数のほうが多かったのがわかります。
特許の登録率の上昇は、2006年からはじまっています。おそらく2000~2004年でビジネスモデル特許の審査基準が理解され、2005~2006年くらいからちゃんとしたビジネスモデル特許の申請件数が増えたとよめます。
≪まとめ≫
2013年以降、ビジネスモデル特許の登録率は上昇すると予想できます。なぜなら全分野における特許の登録率は平均67%だからです。さらにビジネスモデル特許の歴史はまだ14年しかありません。そう考えると、ビジネスモデル特許による縄張り合戦はますます激しくなりそうです。
2014年10月13日
著者 ゆうすけ
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