特許の調べ方-経過情報からライバル企業の特許戦略をサクッと確認する方法
ある会社の特許を調べていると、これはどういう流れで特許になったのか調べるときがあります。
例えば、特許が認められない理由の通知(拒絶理由通知)がされたかどうかを調べることで、その技術分野の特許が取りやすいか否かを検討することがあります。他にも、審査を早くしてもらうよう頼んだかどうか(早期審査請求)を調べることで、その会社の特許に対する意気込みを推測したりもします。
つまり他社の特許を調べる上で、その特許出願が特許になるまでの過程(経過情報)は極めて重要です。そこで経過情報からライバル企業の特許戦略をサクッと確認する方法をお伝えします。確認するポイントは3つです。
photo credit: Stéfan via photopin cc
0.特許庁のデータベースから特許公報を開く
まずはライバル企業の特許を公報テキスト検索で調べる方法により、特許公報を開きます。そして上段の右端にある「経過情報」をクリックします。
1.「基本項目」から特許が生きているか死んでいるかを確認する
特許は維持費用(年金)を払わなければ生きられず死にます。そこでライバル企業の特許を見つけたとき、まず生きてるか死んでいるかを確認しましょう。具体的には、「登録記事」の欄を確認します。もし死んでいる場合は、「消滅」と書いてあるのでわかるはずです(ただしシステム上に反映されるまでのタイムラグあり)。
2.「出願情報」から特許になるまでの経緯を確認する
上にも書きましたが、特許出願がどのような経緯で取られたかを確認すると、ライバル企業の意気込みやその技術における特許のとり易さなどがわかります。そこで画面下の「出願情報」をクリックすると下記の画面が表示されます。そして一番下までスクロールして、「審査記録」の欄をみると、いつなにが起り、それに対してなにが行われたかを調べることができます。
3.「登録情報」からその特許がどれくらい継続しているかを確認する
最後に、その特許がどのように維持されているかを確認することで、ライバル企業がその特許に対してどれくらい期待しているかが確認できます。そこで画面下の「登録情報」をクリックすると、下記の画面が表示されます。このうち「登録記録」の欄をみると、何年毎に特許の維持年金が支払われているかがわかります。年金を一度にまとめて支払うこともあれば、下記画像のように1年毎に支払うこともあります。1年毎に支払うということは、この特許がいらなくなったらいつでもすてちゃうよっていう戦略ともよめます。
≪まとめ≫
特許戦略って一言でいうけど、とても奥が深いです。だからまずはすぐに入手できる情報からライバル企業の特許にかける意義込みなどを確認することをオススメします。
2014年7月29日
著者 ゆうすけ
↓↓↓このブログが気になった方はこちらもどうぞ!↓↓↓
関連記事
-
コロプラを訴えた任天堂特許戦略の考察
2018年も新年早々、知的財産関連のビックニュースが飛び込んできました。ご存知、
-
コンサル重視に転換する製造業に期待すること
先日(2016/5/9)、「日立、営業2万人増員 コンサル重視へ転換」という記事が日経新聞に
-
地域の知財活動に役立つサイトまとめ
日本では、特許庁が知的財産(以下、「知財」)の取りまとめをしていますが、特許庁は経済産業省の
-
熊本地震で影響を受けた手続の救済措置
©特許庁※画像にリンクあり[/caption] 2016年4月14日から発生している熊本地方
-
プロダクトデザインを意匠と特許で守る訳
プロダクトデザインの保護といえば意匠、というのは皆さんご存知かと思いますが、特許でも保護でき