身近な課題を解決するのが発明のコツ!ヒット商品と特許に最先端は不要
なるほど~。今年ブレイクした「空調服」の発明者・市ヶ谷社長の言葉に納得です。
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ヒット商品と特許に最先端は不要
「新しいものをつくろうとすると、その分野の最先端のことを勉強することが多いと思いますが、それだとその範囲でしか商品を開発できず、画期的なものはできません。しかも、最先端のことを勉強すればするほど、発想は似てきてしまい、商品も同じようになってしまいます。空調服も冷房に関して最先端のことを追究していたら、生まれていなかったかもしれません」(引用:25万着の大ヒット!「扇風機付き作業服」新感覚の涼しさ - プレジデント)
大発明しよう!ヒット商品をつくりたい!そう思って何かを追求するのはすばらしいことだし、特定のジャンルを深堀し、最先端を勉強すること自体はマイナスではないでしょう。でも最先端を勉強するということは、常に最先端を追わなければなりません。そうなるとマンパワーと資金力がある大手企業が有利です。
中小企業やスタートアップがヒット商品を生み出すシンプルな手法は、生活の中に埋もれている課題を発見し、それを解決することです。空調服の場合、安全のために夏でも長袖を着なければいけない仕事(建設現場や製造工場など)でも不快感を感じさせないことが課題であり、その解決策がファンを搭載して泡を乾かす服だったわけです。このアイデアで特許も取得しているようです(特許第4329118号「冷却衣服」)。
そしてこのような課題の解決策が今までにない新しいアイデアだったら特許がとれるわけです。特許はIPS細胞のような最先端技術じゃなくても特許になります。そのアイデアが業界内で目新しければ。
ちなみに目新しくても、先駆けすぎると商品は売れません。空調服も売れるまでだいぶ時間がかかったようですが、ようやくエコや省エネなど時代のニーズにマッチしたから売れたのではないでしょうか。品質がよくてもモノが売れない原因の一つです。
≪まとめ≫
特許をとったら商品が売れるのではなく、売れる商品に対して特許をとるべきです。そして売れる売れないはやはりコンテンツ次第。コンテンツが悪ければ売れないし、特許をとってもあまり意味がないでしょう。
<参考サイト> 株式会社空調服
2014年7月9日
著者 ゆうすけ
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