ひきのあるネーミングはシンプルで人に教えたくなるもの。だから商標登録すべき。
ネーミングと商標登録、これは本当に切っても切れない関係と感じています。まったく新しいネーミングと思いきや、ある日突然、同じネーミングがネット検索で登場しはじめる。そしていつの間にか商標登録を先取りされ、改名せざるを得ない。
とまあ、こういうことが実際に起こっている中で、ぼくとしてはそうならないように知識をもってもらいたいと切に願っています。そこで事例にあわせて説明することにしたんです。
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シンプルで人に教えたくなるネーミング
「豚活」について聞くと「豚肉を活かすとかいて『とんかつ』と読みます」と語る。しかも、この言葉は商標を取っているという。
(引用:お初天神近く「豚活(とんかつ)」の店。こだわりの製法で/大阪 - THE PAGE)
「○○活」といえば、就職するための活動という意味の「就活」、結婚するための活動という意味の「婚活」、人生の末期を向かえるための活動という意味の「終活」、朝から行う自己啓発のための活動を意味する「朝活」など、いろいろあります。基本的には「活動」という意味が含まれているようです。
一方、「豚活」の場合は、「豚肉を活かす」という意味。「豚になるための活動」ではありません(そりゃそうでしょ)。
つまり漢字二文字でシンプルだけど、意味がわかりそうでわからないから知りたくなる。だから意味がわかると人にも教えたくなる。そんなネーミングこそひきがあるといえそうです。
ネーミング(商標)の登録は早い者勝ち
「○○活」という略語が流行りだしたのはいつからか正確にはわかりません(ちなみに「婚カツ!」という番組が放送されたのは2009年です)。でもおそらく「○○活」が流行ってから、いろんな「○○活」が急増したはずです。そして「○○活」という言葉が一般化すると商標登録しにくくなります。
「豚活」の場合、2005年に商標登録されています(商標登録第4889013号)。このころはまだ「○○活」という言葉が今ほど急増していなかったのかもしれません。そのため飲食店のサービスに対して「豚活」という商標を登録できたと想像しています。
こうしておけば、「豚活」というネーミングの生みの親が自分であることを簡単に証明できます。またブランドをこわす使い方をされたときには文句がいえるわけです。
≪まとめ≫
アイデアもネーミングもブームが来る前にちょっと早乗りするくらいのタイミングで登録しておくと、その後グッと価値が高まるでしょう。
2014年7月10日
著者 ゆうすけ
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