後手後手の老舗企業が海外でブランド名がパクられてるのを知る3つのパターン
日本の老舗企業のブランド名がパクられてる被害が増えています。しかもただパクられるだけではなく、その国で先に商標登録してしまうというとんでもないことをしてくれるわけです。ところが意外にこの事実が知らておらず、後手に回っている老舗企業が多いようです。
そこで後手後手の老舗企業が海外でブランド名がパクられてるのを知る3つのパターンをまとめました。
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1.取引先からの連絡
宇治茶製造販売の丸久小山園(京都府宇治市小倉町)は2月、台湾の得意先から連絡を受けた。担当者が急いで台湾の知的財産局の商標データベースを検索すると、◯に「久」と書く会社ロゴそのものが登録申請されていた。(引用:2014/6/9 京都新聞 「「先制出願」最大の予防 宇治茶の老舗3社、商標無断申請問題」)
現地法人や営業拠点を持っていないとなかなか知る切っ掛けがないかもしれません。しかも丸久小山園の場合、台湾への輸出実績がな言いにもかかわらず、過去にデパートで行われた物産展に宇治茶が販売されていただけでパクられてしまったようです。
2.ユーザーからのクレーム
台湾に進出していないにもかかわらず、2007年ごろから「味が違ってまずい」などの苦情が、現地の日本人駐在員や日本に留学経験のある台湾人らから相次ぎ、発覚のきっかけになった。(引用:2013/3/19 日経新聞 「「まずい」で発覚 台湾に有名ラーメン店の模倣店 」)
これは「神座(かむくら)」の例です。つい先日、台湾で先取り登録されたロゴ商標「神座」を無効にする主張が認められなかったと報じられました。台湾で商標登録された時期に「神座」が有名ではなかったという台湾特許庁の判断のようです。
3.先取りした商標権者からの警告
06年ごろ、台湾で「讃岐うどん」看板を掲げて商売をしていた日本人男性が、台湾企業から商号使用中止に関する内容証明を受けたのが発端だ。この台湾企業は1999年、「讃岐」「さぬき」「サヌキ」「SANUKI」などの各種表記で自国で商標登録を終えた状態だった。日本伝統商品を台湾人が先に商標登録をし、日本人が現地で使用できなくなったのだ。(引用:2011/7/12 中央日報 「日本固有のブランドを勝手に商標登録する中国、立ち向かう日本」)
これはまさに寝耳に水ってやつでしょう。日本では普通に使われている言葉でも、言語の違いにより外国では商標として成立してしまいます。しかも海外では、漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベットなど、母国の文字形態でない商標はロゴや図形として扱われるため、けっこう簡単に商標登録されてしまうようです。
≪まとめ≫
海外で商標登録が先取られているととりかえすのが大変です。タオルでおなじみの「今治」も、中国での先取り商標を無効にする戦いが継続中です。後手後手にならないよう、とにかくまずは海外で商標登録されていないかチェックするのをおすすめします。
2014年6月9日
著者 ゆうすけ
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