デザインを意匠登録するならポイントを客観的に言語で表現できたほうがいい
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意匠
弁理士の仕事をしてると、表現力って大切だな~っていつも感じています。お客さんに伝える表現や特許庁の審査を通過できる表現を常に試行錯誤していますし、そこが面白いポイントとも感じています。
その中でも特にデザイン(意匠)を登録するときは表現力が大切になってきます。
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言葉でポイントを表現できるかどうかがカギ
製品のデザイン(意匠)を登録するときに大切なポイントは、世の中にすでに存在するデザインとの差がどのように表現できているかということです。デザイナーさんに聞くと、ここの形状が違うんだよ!っていいます。それはあくまでもビジュアルかつ主観的な世界。たしかに見れば形状の違いくらい素人でもわかります。
でも意匠登録できるかどうかは、その形状の違いが新しい創作、つまり差別化できるポイントなんだということを客観的に主張できなければなりません。そしてそのポイントを客観的に主張するにはどうすればいいかというと、そのデザインを言語で表現するしかないんです。すでに存在するデザインと新たに創作したデザインをそれぞれ言語化し、違いがわかるように言葉で表現するんです。
具体的には、デザインを基本的は構成と具体的な構成とにわけます。たとばコーヒーカップのデザインだったら、コーヒーが入る器の部分と、器を持ち上げる取っ手の部分が基本的な構成なります。さらに器の縁の部分にくちびるを当てる湾曲した部分があれば、それは具体的な構成となり、この構成が差別化のポイントと主張できるかどうかが登録できるかどうかのカギとなります。
≪まとめ≫
デザインはあくまでもビジュアルですが、意匠登録するときにはそのポイントを言葉で表現しないと審査官に伝わりません。その点を踏まえた意匠登録の検討をおすすめします。
2014年5月10日
著者 ゆうすけ
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