会社名を商標登録すべき3つの理由
公開日:
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最終更新日:2014/02/05
商標戦略
法人の場合、会社名って商号登記しないといけない反面、商標登録は案外忘れられがちです。商標登録は商号登記のように法律で義務づけられてないし、そもそも商標登録の本質も知られていないからでしょう。
そこで会社名を商標登録すべき3つの理由をまとめました。
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商号登記のみでは会社名を守れない
商号は、同じ営業所に同じ会社名が登記されてなければ、登記できます。逆にいうと、違う営業所なら同じ会社名がたくさん登記されてもいいわけです。つまり同じ会社名を誰かに勝手に商号登記させないことは基本的にできないし、同じ会社名だから使うなとも言えません。
一方、商標登録は、日本全国のうち同じような事業について同じような会社名・商品名・サービス名が商標登録されていなければ、登録できます。逆にいうと、違う事業でない限り、同じような会社名がかぶって商標登録されることはありません。つまり同じような会社名を誰かに勝手に商標登録させないことができるし、同じような商標だから使うなと言えます。
さらにもし会社名を商号登記できても、先に誰かに商標登録してしまったら、その会社名を事業発展のために使えなくなるリスクがあります。だから商号登記のみでは会社名を守れないわけです。
先に商標登録されたら会社名を目立つように使えない
会社名を事業発展のために使えなくなるリスクとは、例えばパンフレットや名刺に会社名を目立つように表示したり、会社名をホームページのサイト名として使ったりすることができなくなることを意味します。つまり会社名を目立つように使えないということです。
これはどういうことかというと、そもそも会社名や商品名は、お客様がそれを見たときに、あれは○○○の商品(サービス)だ!とわかるようにすることが目的です。会社名を事業発展のために使えなくなるということは、単に会社説明用の文章の中に会社名を入れたり口頭で会社を紹介するためだけにしか使えなくなるということです。
そしてもし会社名を目立つように使ってしまうと、商標登録の持ち主から商標権の侵害だから使うなといわれてしまうリスクがあります。またその会社名が目立つせいで、商標登録の持ち主の会社名が目立たなくなりその分売り上げが下がったから損害賠償を請求されることもあります。このようなケースで知られているのが、堂島ロールで有名な商標「モンシュシュ」事件です。
会社のブランド構築に役立つ
というように、会社名は事業の発展に大きく貢献します。会社名を覚えてもらうことは、その分集客につながるわけです。そして長い間同じ会社名を使えば使うほど、会社の信用や実績が会社名に宿ります。
ブランド構築って一朝一夕にはいきません。流行りのデザインをつかって見栄えをよくしても商品やサービスの質が悪ければ業績は上がりません。一方、商品やサービスの質が良くても、その良さや評判がお客様に伝わらなければ業績は上がりません。
お客様に、これが私の会社でこんな商品やサービスを提供しています、と伝える手段の一つが会社名です。つまり会社名はお客様の目印で、その目印は使えば使うほど価値がでます。そして安全に使い続けるためには、商標登録が必要なんです。
≪まとめ≫
商標登録するタイミングっていろいろありますが、商標登録の本当の意味を知った上で先延ばししたり早めに申請したりするのが大切です。なぜなら商標登録してるしていないでマーケティング戦略もかわるからです。そしてタイミングを外さないことが、商標登録に限らずビジネスには必要でしょう。
<関連記事> ・ビジネスにあわせて商標登録のタイミングをはかる4つのプラン
2014年2月3日
著者 ゆうすけ
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