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商標登録の相談をしたいときに準備しておくべき大切な9つの情報

公開日: : 商標戦略

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商標登録について知らない人は、商標登録したくても、誰にどんな相談したらいいのかわからないはずです。目に見えないものを守るっていう発想自体もつのも大変でしょう。 

商標登録したいときに相談すべきは、商標登録の実務経験のある弁理士です。弁理士は特許専門、商標専門とジャンルを絞って活動している人が多くいます。しかし中にはジャンルを設けず全ての相談に対応する人もいます。 

会社の規模に応じて相談する専門家をうまく選ぶべきです。中小企業やスタートアップの場合、そもそも知的財産の知識やノウハウがないため、多ジャンルで活動している弁理士に相談するのがいいでしょう。 思わぬところから知的財産が出てくるかもしれません。

そこで弁理士に商標登録の相談をしたいときに準備しておくべき9つの情報を整理しました。

photo credit: SalFalko via photopin cc

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1.実際に使っている商標 

まずはこれがなくてははじまりません。会社名、商品名、サービス名、サイト名、店名など商売の目印となるものを商標といいます。そしてこれら商標のうち、弁理士がほしい情報は、実際に使っている商標についてです。実際に使っている商標とは、たとえばホームページやパンフレットや名刺に書かれた会社名や商品名のことです。アルファベット?ひらがな?それともロゴ?使っている商標の種類はいろいろあったりします。

そこで実際に使っている商標のパターンにはどんなものがあるかをご紹介します。自分の商標がどれにあてはまるか検討してみてください。 

1-1.文字の種類(アルファベット/カタカナ/ひらがな/漢字など) 

実際に使っている商標の文字の種類でありがちなのは、名刺にはアルファベット、パンフレットにはカタカナ、ホームページにはアルファベットとカタカナを上下で表示しているケースです。 

基本的に文字の種類毎に商標登録すべきです。アルファベットとカタカナの商標でも別々に申請することで、どちらの商標も安全に守れるからです。しかし別々に申請するとその分コストもかかります。 

そのため登録すべき文字の種類の優先順位をつけるべきです。使っている頻度の高い文字は商標登録の優先順位が高くなります。 

1-2.文字の書体(ゴシック体や明朝体など/ロゴデザイン) 

商標の字体も大切な情報です。書体の種類としては、ゴシック体や明朝体など一般的な書体か、それともロゴデザインをほどこしたオリジナルな書体か、というものです。 

中にはオリジナルのネーミングだけど、文字の原型をとどめていない商標もあります。そのような商標はロゴデザインとして登録するだけじゃなく、一般的な書体としても登録したほうがいいです。ネーミング自体にも商標登録する価値があるからです。 

1-3.文字のバランス 

ゴシック体や明朝体など一般的な書体でも文字のバランスを工夫する場合があります。文字のバランスとしては、以下のパターンがあります。 

・すべての文字が同じ大きさ
・一部の単語が大きい/小さい
・一部の文字が大きい/小さい 

文字や単語の大小によって先に登録されている商標と似ている似ていないがかわるため要注意です。 

1-4.文字以外のマークやキャラクターの有無 

たとえばコーポレートマークとセットで会社名を表記している会社もあります。その場合は文字以外のマークやキャラクターと文字のバランスも商標登録に影響するため大切な情報です。 

会社名だけでは商標登録できない場合、マークやキャラクターとセットで申請するのも一つのテクニックです。 

1-5.カラーの有無

カラーあり?それともモノクロ?色違いは商標登録の範囲に影響ないため、実際に使っている商標がカラーならそのまま登録すべきです。 

1-6.ネーミングやロゴデザインの由来 

似た商標が先に登録されていたために審査でひっかかってしまったとしても、商標の由来を主張することで審査に通ることもあります。

例えば複数の言葉を組み合わせたネーミングや特徴的なロゴデザインの由来は、商標として最も効力を発揮する部分を特定するために役立ちます。 

2.登録したい事業 

商標は事業(商品やサービス)とセットで登録します。つまり事業の内容が違えば、同じ商標でも複数登録できます。 

例えばソフトウェア開発とECサイトでの商品販売が事業の会社の会社名を商標登録する場合、ソフトウェア開発とECサイトでの商品販売についてそれぞれ商標登録すべきです。 

事業とはお金が発生することです。だからお金が発生する目印となる商標は、それぞれの事業について商標登録しておく必要があります。 

3.商標を使いはじめる(使いはじめた)時期

商標登録は申請してから登録されるまで平均6か月かかります。だから商標登録が完了する前に使いはじめる場合や、すでに使いはじめている場合はそれ相応の戦略があります。

商標登録を申請するタイミングはとても大切です。理想的にはリリース前に申請し、登録を済ませておくべきです。リリース後に申請して、審査に通らず認められないため、ネーミングやロゴを泣く泣く変更するという話もよくあります。

<参考>ビジネスにあわせて商標登録のタイミングをはかる4つのプラン

4.今後の事業展開 

最後にもしこれについて話すネタがあれば、ぜひ準備することをおすすめします。なぜなら商標登録は、登録したい事業の数に応じて申請料と登録料が増加するからです。そのためコストをなるべく抑えたい場合、まずはどの事業から登録すべきか?優先順位をつけるべきです。それには今後の事業展開について聞かないと、適した提案ができません。 

また事業展開に応じて、ネーミングやロゴデザインを変更する場合もあるでしょう。そのような場合もアドバイス内容がかわります。例えば商品をシリーズで販売する場合、そのコアとなる部分のみを商標登録したり、ロゴデザインが決まってない場合はネーミングを文字のみで商標登録したりする提案をします。 

≪まとめ≫ 

ぶっちゃけ、これらの情報がちゃんと整理できていれば、弁理士に相談する必要はないかもしれません。これらの情報を基に、弁理士は商標登録について最適なソリューションを提供するからです。情報を整理し、方針が立てたら、あとは手続きのみです。

2014年2月4日

著者 ゆうすけ 

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