*

3Dプリンターを使うときに注意すべき著作権のポイントをザックリと解説!

Pocket

photo credit: jabella via photopin cc

3Dプリンターによって個人がメーカーになれる時代がきた!なんてことを最近よく耳にします。なにがすごいかっていうと、簡単にプロトタイプ(試作品)がつくれることです。

新作のスマホケースやフィギアの試作品をつくるために、今までは何十万円もする金型を作らなければなりませんでした。つまりチューっと原料を流し込む金型がなければ、試作品をつくれなかったのです。しかもデザインを変更したら、その金型はパーになります。

しかし3Dプリンターはインクジェットプリンタのインクのように、ノズルの先っちょから原料をチュチュっと出しながら立体的な形状にしていきます。デザインを変更したら、設計データを修正するだけでOK。

そんな便利な3Dプリンターだからこそ、注意したいのが著作権です。ソフトウェアのオープン化につぐ、ハードウェアのオープン化が進んでいるからです。つまりみんなでアイデアを共有してモノづくりをしよう!という思想が広まりつつあります。

そこで、3Dプリンターを使うときに注意すべき著作権のポイントをザックリと解説します(細かい判断事例は省略しますのでご了承ください)。

スポンサードリンク

・3DCGデータ(設計データ)


現状、3Dプリンター専用のソフトで3DCGデータを作成します。そしてオープン化により、3DCGデータが流出する可能性があります。

たとえばThingiverseでは、すでに多くの3DCGデータを無料配布しており、欲しいデータがあれば以下のような画面でダウンロードできます。

引用 http://www.thingiverse.com/thing:135017

このとき3DCGデータの作成者は、ソースコードに著作者情報(氏名や作成年月日)を入れるのが無難です。プログラムは著作権で保護できるからです。さらにダウンロードページにも、著作者情報を表示すべきです(赤矢印部分)。

また3DCGデータをダウンロードした人は、横流しに注意しましょう。ダウンロードページに著作権に関する表示があったら、ちゃんと確認すべきです(青矢印)。

さらに横流しであつめられた歌手の音楽データ(海賊版)をダウンロードする行為が著作権の侵害になるように、横流しによる3DCGデータをダウンロードする行為も著作権の侵害になる可能性があります。

・3Dプリントした作品


作品で注意すべきなのは、主にキャラクターや有名人のフィギアです。なぜならキャラクターには著作権、有名人には肖像権やプライバシーに関する権利があるからです。

したがって作成したキャラクターや有名人のフィギアを売ったら、著作権侵害のリスクがあります。一方、自分の部屋に飾ったりするのは問題ないでしょう。

ちなみに3Dプリンターでつくったキャラクターのフィギアは、キャラクターの複製物、またはキャラクターを変形・翻案した二次的な著作物になると考えられます。

また海外では3Dプリンターの作品を著作権 で保護する動きが活発です。デンマークの玩具会社レゴの広報は以下のようにコメントしています。

レゴ広報は、これらの個人利用は問題ないが、販売するとなれば法を犯す可能性があると注意し、「違法行為が認められた場合はブランドを守り消費者の利益を守るため断固として追及する」構えだ。 (引用:2013年8月21日「3Dプリンター普及に著作権侵害の壁」)

ちなみに自動車やアクセサリーなどは、一般的に「工業デザイン」といわれているため、著作権の侵害にはならないと思います(むしろこの場合はデザインの権利(意匠権)や立体的な商標の権利に注意すべきです)。

・作品の写真


せっかくつくったんだから、写真にとってみんなに見せたい!ってか、画像として販売したい!という気持ちはわかります。

ですが、自分の部屋に飾るためにつくったキャラクターや人物のフィギアでも、写真にとって売る行為は著作権(肖像権)の侵害になると考えられます。

ちなみに自分のブログに写真をアップしても、ディズニーのように著作権に厳しいところからは文句を言われる可能性があるため注意しましょう。

 ≪ピッタリナまとめ≫


著作権にひっかかるかどうかはグレーな世界です。3Dプリンターのような新しい概念については、判例を置き換えて対策するしかありません。ネットによるソーシャルな動きや海外の事情を参考に、今後も情報を追っていきたいと思います。

<参考資料>

・Sankeibiz 「3Dプリンター普及に著作権侵害の壁

[時評][知財]ローランドDG「iModela」:3Dプリンタ著作権法上の問題

Commons:二次的著作物

・文化庁「誰でもできる著作権契約マニュアル

<判例>

京都地裁平成9年7月17日「ファイブスター物語事件」
東京地裁昭和61年9月19日「キン肉マン事件」
大阪高裁平成17年7月28日「チョコエッグ事件」

2013年8月21日

著書 ゆうすけ

Pocket



関連記事

26443844932_c18ddab420

地域の知財活動に役立つサイトまとめ

日本では、特許庁が知的財産(以下、「知財」)の取りまとめをしていますが、特許庁は経済産業省の

記事を読む

16026547808_cb12b61be9

【2015年まとめ】知的財産記事おすすめ28選!1年を振り返って思うこと

2015年も残すところあとわずかとなりました。 自分としては、年末にその1年を振り返る

記事を読む

14225546002_a52e577fd3

小売業のブランド戦略を後押しする知的財産活動事例

小売業といえば、スーパー、コンビニ、量販店、ドラッグストア、ネットショップなど主に商品を販売

記事を読む

4374886726_f64eb4d86d

五輪エンブレム騒動に学ぶ見た目のオリジナル性の考え方

新五輪(オリンピック)エンブレム再募集の応募時期(2015年11月24日~)が迫ってきました。今

記事を読む

7983534479_e6419d9dcf

中小企業が新たな価値を生むには?知的財産活動はモノづくりプロデュースのカギ

『ハゲタカ』シリーズの最新作『スパイラル』を背景に、著者の真山氏が語る日本の中小企業の実態や

記事を読む

02
コロプラを訴えた任天堂特許戦略の考察

  2018年も新年早々、知的財産関連のビックニュース

20170127tmd01
ピコ太郎さんも驚きの商標トラブル!エイベックス社が巻き込まれた状況を図解

  ピコ太郎さんの話題は2017年になってもまだまだ衰

20101606281_259b4e6f8c
社外弁理士に存在価値はあるのか?

先日(2016/5/16)の日経新聞に、「企業の枠越え 法実務

14561581102_472fb7425c (1)
コンサル重視に転換する製造業に期待すること

先日(2016/5/9)、「日立、営業2万人増員 コンサル重視

26443844932_c18ddab420
地域の知財活動に役立つサイトまとめ

日本では、特許庁が知的財産(以下、「知財」)の取りまとめをして

→もっと見る



  • 弁理士/監査役/ブロガー。中堅企業、中小・ベンチャー企業、スタートアップに適した知的財産活動を提案。 「地域発 ヒット商品のデザイン」でネーミングと商標登録のコラムを掲載。
PAGE TOP ↑