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スタートアップにも朗報!キャッチフレーズの商標登録のルール変更と具体的効果

公開日: : 商標, 商標トレンド

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商標登録できるのは、主にネーミング(社名や商品名)、ロゴ、図形、立体的形状(例:ホンダのカブ)です。そうはいっても、これら以外は絶対にNGというわけではありません。

キャッチフレーズは基本的に商標登録できないことになっています。でも、商標登録されたキャッチフレーズは実際にはあります。その辺は審査の運用でフレキシブルに特許庁が対応してたっぽいです。

photo credit: If You Have A Bee In Your Hand via photopin (license)

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キャッチフレーズの商標登録がしやすくなるとは?

ところが、先日特許庁はキャッチフレーズを商標登録しやすくするようルールを変更すると発表しました。これはマーケティングにも影響出てくるんじゃないでしょうか。

特許庁は2016年4月にも、企業が商品の販売促進のために使うキャッチフレーズを商標登録しやすくする。審査段階で認める類型を増やし、登録までの期間をこれまでの約1年から約4カ月に大幅に短くする。

<引用:2015/9/25 「キャッチフレーズ、商標出願~登録の期間3分の1に 特許庁 」 by 日経新聞>

会社によっては社名や商品名と同じかそれ以上にキャッチフレーズが話題になることがあります。キャッチフレーズの(またはキャッチフレーズっぽい)商標登録の事例をみるとわかります。

例えば、マスターカードの『プライスレス®』なんてまさにその典型といえそうです。キャッチーな言葉として使い始めたら、思いの外ヒットして、マスターカードの代名詞のようになりました。

日立製作所の『Inspire The Next®』本田技研工の『The Power of Dreams®』も、会社の意思というか象徴というかコンセプトを英単語3つで耳障りよく表現することで、印象を強めています。

このように、キャッチフレーズの商標登録が認められやすくなるということは、会社や商品のコンセプトやユーザーへのメッセージを独占できることになり、マーケティングへの影響も大きいと考えられます。

従来と比べてどれくらい審査が楽になるのか?

ところで、特許庁がルール(審査基準)を変更するというわけですが、実際にはその変更によってどれくらい審査が楽になるのか?そこがキャッチフレーズを商標登録したい人にとって一番重要なポイントですよね。

そこで、『世界最高を、お届けしたい。®』というキャッチフレーズを商標登録したユニバーサルジャパン®の裏話が日本弁理士会近畿支部のホームページに掲載されていたので、ご紹介します。

どうやら、ユニバーサルジャパン®はキャッチフレーズの商標登録を認めてもらうために、拒絶査定不服審判(審査の次のステージ/3~5人の審判官で判断)にて、以下のような証拠を大量に提出したようです。 

・スピルバーグ監督が出演したCM・・・どれだけの回数がテレビで放映されたのか
・ホームページでもフレーズを表示していたのでその閲覧回数
・旅行代理店のパンフレット、ホテル、スポンサー企業の広告

<参考:日本弁理士会近畿支部

つまり、『世界最高を、お届けしたい。®』は、キャッチフレーズかもしれないけど、これを見たり聞いたりした人なら、あ、ユニバーサルジャパン®だ!って認識できるくらい有名です、ということを証明したところ、それが認められたわけです。

このように、キャッチフレーズを商標登録するにはかなり面倒な手間がかかっていましたが、来年(2016年)のルール変更により、このような証拠を出さなくてもよくなりそうです(審査基準の改定内容次第)。

資金のある会社なら証拠集めや拒絶査定不服審判のコスト(下手したら3桁)はあまり痛くないかもしれませんが、スタートアップにとってはかなり痛手なはずなので、このルール変更の効果は大きいのではないでしょうか。

≪まとめ≫

商標に限らず、いいフレーズはパクられやすいっていうのは万国共通です。今ではネット検索でキャッチフレーズをキーワードにして探すパターンも増えてきたので、そういう意味ではキャッチフレーズの商標登録の効果はより高いかもしれません。

2015年9月29日

著者 ゆうすけ

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