限界集落と農業の6次産業化に興味あるならNHKドラマ『限界集落株式会社』は見逃せないかも!
NHKのこの時間帯(毎週土曜日21~22時)って、社会的な課題をテーマにしたいいドラマが多いんですよね。前回は知財で稼ぐ企業がテーマだった『ダークスーツ』をご紹介しました。
今回は限界集落と農業の6次産業化をテーマにした『限界集落株式会社』をご紹介。ストーリーも興味深く、かつキャストも豪華なんで、毎週楽しみにしています。
photo credit: cabbage via photopin (license)
限界集落って大事なの?
限界集落(げんかいしゅうらく)とは、過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者になって冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になっている集落を指す、日本における概念。
<引用:wikipedia「限界集落」>
日ごろ情報収集していると、都心以外の地域を盛り上げようという動きが活発化しているのを感じています。2014年末には、YKKが冨山に本社移転する計画と法人税の優遇措置について話題になりましたね。
でも限界集落の復活については厳しい意見もあるようです。あえて手を触れず、環境に負荷を与えないように自然に返すべき、とか。ただ、限界集落が無くなればマイナスにもなりえるということも認識しておくべきでしょう。
過疎地域は、人口は少ないけれど、その面積は国土の半分以上を占めており、・・・森を守り、水を守り、田畑を守り、日本の文化を守り、国民の心のよりどころとなる美しい国土と環境を未来の世代に引き継いでいこうと努力しています。・・・わが国のそれぞれの地域の自然や文化、人々の生活などが個性を持って共生していくために、過疎地域を支援していくことがこれからの日本の在り方にとって極めて重要であります。
<引用:全国過疎地域自立促進連盟「4 どうして「過疎対策」が必要なの? 」>
農業と知財って関係あるの?
『限界集落株式会社』は、農村の住民と経営コンサルタントが協力して農業の6次産業化に取り組む話です。つまり自分たちでつくった野菜を自分たちで売ったりイベントを企画して集客して生計を立てるというもの。
特にその村のウリは、農薬を使わない有機野菜の栽培。亡き祖父のためにも、息子とその娘(亡き父の孫)が農業に励むストーリーがドラマを引き立てています。
そして有機野菜の土壌づくりでは、亡き祖父が書き残したノウハウノートが活躍しています。天気、気温、地温、湿度などをまとめた有機農法の虎の巻はまさに知財そのもの。
農法でも特許はとれるし、新たな品種なら種苗登録もできます。でもまず大事なことは、農園のノウハウ(知財)をどうやって継承していくかということでしょう。
そういう観点で見ると、『限界集落株式会社』では試行錯誤して築いた有機農法を次世代につなげ、時代にあったやり方で事業展開していく考え方が参考になると感じています。
またブランド化も農業の6次産業化には大切な概念。ドラマではあえて形が悪いために商品として出荷できない野菜を高品質の証として販売するシーンなんか、ブランディングの一環でしょう。
≪まとめ≫
限界集落と農業という現代社会の課題に対してどう考えどう取り組んでいくか?どちらも決して簡単ではない課題をテーマとした『限界集落株式会社』に注目したいです。
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2015年2月8日
著者 ゆうすけ
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