農業の6次産業化でも大切な商標登録!「万能ねぎ」は昭和に登録されブランド化
地方の活動が注目されています。地産地消がその地域の経済を豊かにするという考えが少しずつ広まっているのかもしれません。道の駅では農家の人たちがつくった産品を直売できる経済資源の場として活用されています。
企業としても農業の6次産業化は、地域貢献やビジネスチャンスの拡充という意味でとても有意義でしょう。そのため商品名を商標登録しておくメリットは大いにあります。
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株式会社では地域団体商標はとれない
農業は基本的に農家が収穫した野菜などを出荷してお金に変えますが、さらに飲食業や流通業にも農家がかかわることで収益を増やそうというのが6次産業化の考え方です。企業としても農家とタイアップすれば、新鮮な作物が手に入りやすくなったり、作物の品種開発にも関われるようになるため、いろんな可能性を秘めています。
不動産や飲食店などを手掛ける高田企画(富士市津田町、高田清太郎社長)は、農業の6次産業化事業に本格参入する。富士地域の耕作放棄地を集約し、地元農家と連携してネギを生産・共同出荷し、市内外の飲食店に販売する。「富士ねぎ」として近く商標登録し、ブランド化を図る。(2014/3/23 静岡新聞 「富士ねぎ」で6次産業本格参入へ 高田企画)
農作物の商品名(商標)は、「地域名+農作物名」がオーソドックスなネーミングです。わかりやすいですし。こういう商品名は地域団体商標として登録するのがいいんですが、今のところ株式会社では地域団体商標をとることができません。2014年の法改正では商工会議所やNPOなら地域団体商標をとれるようになりますが、株式会社は追加されませんでした。
登録商標「〇〇ねぎ」の一例
「〇〇ねぎ」っていろいろ聞いたことありますが、どれがどこの商品なのかごっちゃになってませんか?そこで商標登録されている「〇〇ねぎ」を調べたところ、いろいろありました。誰もが知るあの「万能ねぎ」も、福岡県筑前町の農協が昭和60年に商標登録してブランドとして守られているんです。
万能ねぎ(福岡県筑前町)
深谷ねぎ(埼玉県深谷市)
渭東ねぎ(徳島県徳島市)
矢切ねぎ(千葉)
黒潮ねぎ(愛知県豊橋市)
≪まとめ≫
農業の6次産業化に企業が乗り出すとすると、商品のブランド化を狙いたいところです。地元の農協、商工会議所、NPOに商品名を商標登録してもらえば、「〇〇ねぎ」のような強い商標を確保できるでしょう。
2014年3月23日
著者 ゆうすけ
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