登録された商標の前に地名とか違う言葉をつけても商標権の侵害になる?
登録商標の調査の仕方は以前からこのブログでもお伝えしています。
しかし、いざ自分が考えたネーミングと同じ登録済み商標や、ちょっと似ているかな?ってくらいの登録済み商標が見つかった場合、結局どうすべきかの判断は難しいところです。
そして自己判断してしまったために、登録商標の持ち主から、それは商標権の侵害だろ!っ言われて、ネーミング変更せざるを得ない例が後を絶ちません。
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登録商標の前に違う言葉をつけても商標権侵害の可能性あり
市は特許庁のホームページで「紅豚」「おきなわ紅豚」「信州紅豚」が商標登録されていることを把握していたが、「おおだて」を付ければ問題ないと判断し、今月2日に発表した。
<引用:2014/10/23 さきかげon the Web 「「おおだて紅豚」を「さくら豚」に 「商標権侵害」の指摘受け」>
これは、秋田県大館市の豚肉のブランド名「おおだて紅豚」のうち、「紅豚」が登録商標で、この商標登録の持ち主から商標権の侵害でしょ!と指摘されため、ブランド名を変更したというニュースです。
以下が登録商標「紅豚」です。
これを見ると、「紅豚」はあくまでもロゴに特徴あり!と判断されて登録が認められたとも考えられます。つまり「紅豚」自体に商標権の効力はない、という考え方です。
ただロゴに特徴があっても、字体から「紅豚(べにぶた)」と読むことができます。このため「紅豚」自体に商標権の効力がないと決め付けることもできません。
なぜこのように判断しきれないかというと、「紅豚」が商標登録された2008年当時、豚をあらわす一般名称として「紅豚」がどれくらい認知されていたか?によるからです。
そのためたとえロゴに特徴があったとしても、字体からその文字を読める登録商標の場合、その前に違う言葉をつけたから安心だ!という判断はリスキーです。
≪まとめ≫
登録商標と似ている似ていないの判断を厳密にするなら、その読み(称呼)や見た目(外観)だけでなく、登録された当時の言葉の認知度を推測して登録された理由を考えなければなりません。そのため安全策として、登録商標を一部に含まないネーミングをオススメします。
2014年10月24日
著者 ゆうすけ
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