商標登録はダミー!知っておきたいロゴの巧妙なパクリの手口
ロゴはブランディングやマーケティングに必要不可欠。ロゴには会社や商品を見わけさせる力や、これらの品質を伝える力があるからです。
そんなご利益に相乗りするのがパクリ業者です。彼らにとってお客さんの信頼を勝ち取るには地道な努力が必要です。でもロゴをパクればその努力は不要。お客さんが勝手に集まってきます。なぜならお客さんは、ロゴが本物か偽物かわからないからです。
そしてそのパクリの手口は実に巧妙なんです。
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商標登録はカタチだけ!
まず自社で商標「ABC」を登録しました。これでライバル会社は商標「ABC」を登録できなくなりました。
次にパクリ業者が商標「ABCDEF」を登録しました。このうち「ABC」は先に登録された商標「ABC」と同じです。ところが「ABCDEF」が一体的な構成であり、「ABC」とは似ていないと審査で判断されたのです。
その後パクリ業者は商標「ABCDEF」のうち、「DEF」を小さく表示しはじめました。これにより「ABC」が目立って表示されるようになったのです。
こうすると何が起こるかわかりますか?お客さんはパクリ業者のロゴを見て、「ABC」の関連会社をかな?とか、新シリーズを発売したのかな?と勘違いしてしまうのです。
これは商標「ABC」の権利を侵害していることになります。しかしパクリ業者は商標「ABCDEF」を登録しているから侵害ではない!と逆ギレするんです。
このようにパクリ業者は商標登録をカタチだけ行い、誰かに文句を言われたら、ダミーで登録した商標を持ち出して言い逃れする手口を使います。
≪まとめ≫
自社の商標登録に似ている似ていないの判断方法を知らなければ、パクリ業者の逆ギレに意気消沈し、さらに泣き寝入りしてしまうかもしれません。しかし泣き寝入りしたらパクリ業者の思うツボです。毅然な態度を取りつつ、わからないことは専門家に聴くことをおすすめします。
2014年10月25日
著者 ゆうすけ
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