企業内の技術者は必見!職務発明制度が改正された後の社内規定は要チェック
職務発明の法改正の話題がネット上で盛んに飛び交っています。報道機関によって伝え方は様々。某新聞社は、社内の技術者が考えた職務発明は無条件に会社のものとなる、という報道もしています。
それは誤報!という声もありますが、改正後の職務発明制度では、そのような事態が起こる可能性がないわけではありません。
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今より報酬が低くなる(ゼロになる)こともありえる
下の表は、職務発明制度が改正された後の報奨金の原資に関するアンケート結果です。これは、改正後の制度(職務発明ははじめから会社のもの)にあわせて、社内で新商品を発明した技術者に支払う報奨金を下げるかどうか?という質問ともとらえられます。
<引用:特許庁HP 第8回特許制度小委員会 配付資料 参考資料2 職務発明に関するアンケート結果(PDF:76KB)>
これを見ると、「B. 現行の原資と同等とする。」が69%最多で一安心と思いきや、「C. 現行の原資より減額する。」が27%と意外に多かった、という結果です。
原資を少なくすることで、技術者をえこひいきしないという会社の姿勢を他の社員に見せられるメリットはありますが、それはあくまでも建前で、コストカットというのが本音ではないでしょうか。
改正後の法制度にどこまで報奨金に関することを盛り込むかはまだわかりません。もし法制度に盛り込まれず、具体的には労使間で話し合ってね、と運用任せにしてしまうと、報酬がゼロになる可能性もなくはないわけです。
≪まとめ≫
企業内の技術者としては、職務発明制度が改正された後の社内規定はチェックしておいたほうがいいでしょう。新たな規定が会社都合か?それとも技術者優遇か?というのがポイントです。
2014年9月4日
著者 ゆうすけ
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