産学連携と開放特許を活用してイノベーションを起こす青森県の試みがオモシロい
大学と企業が強力して技術開発に取り組む産学連携も、特許とったけど使ってないから誰かつかっていいよーという開放特許も、結局どうしたらいいのかよくわからずに活用されていないように感じていました。
しかし青森県でオモシロい試みがされており、これは注目したいところです。
photo credit: Justin Jansen via photopin cc
大学生が特許を活かして商品開発
青森県の学生が富士通の開放特許を基に新製品のアイデアを練り上げ、県内の中小企業に提案する県の「知財流通学生人財活用事業」が動きだした。学生の柔軟な発想を、県内企業の新たな事業展開につなげるのが狙い。県内4大学の学生チームが、どんな特許を使い、どんな商品・サービスを生み出すかイメージを膨らませている。
<引用:2014/8/3 河北新報「学生が企業に新製品提案 青森の4大学」>
まず特許をアイデアの種しているところがオモシロいですね。アイデアをゼロから考えだそうとすると大変だし、そもそもアイデアなんて過去のアイデアの積み重ねでしかない。だからモデリングが活きてくるんですよね。
特許はアイデアの宝庫です。なぜなら特許の資料には、過去にあった技術の問題点、その問題点を解決すべき課題、その課題を解決する手段、その手段の効果、そして実際に解決するにはどうするかという実施形態が図面付きで説明されているからです。逆に特許がとられているということは、その技術分野には解決すべき課題があるということになります。
また研究熱心な大学生に開放特許を使わせることによって、また新たなイノベーションの可能性も広がります。産学連携で大切なことは、大学にも企業にもメリットがあること。大学側も最近では知的財産の取り込みが活発で、大学生の発明を特許化する傾向が増えているようです。大学生としては学生時代の研究で特許がとれれば、就職活動にも有利になる可能性があるため取り組む甲斐があるはずです。
世紀の大発明だろうが特許だろうが、結局コツコツとあらゆるパターンの実験を繰り返し、実現の可能性が高いデータをそろえて特許化や製品化につなげているわけです。
≪まとめ≫
特許とっても製品化してみたら特許の範囲から外れてしまったなんていう話はよくあります。それなら特許を開放して大学に製品化の開発をしてもらうのもありではないでしょうか。大学側も企業とコラボして研究することで、研究資金も徴収できてお得のようです。。
2014年8月3日
著者 ゆうすけ
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