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京都「茶寮都路里」に学ぶ、老舗企業が海外でブランドを守るためにすべき4ステップ

公開日: : 最終更新日:2014/11/15 商標事例研究, 商標戦略

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どうやら台湾では抹茶ブームだったそうですね。台湾でブランド名を勝手に商標登録された京都の「茶寮都路里」を含む老舗企業の対応を見習い、日本の老舗企業が海外でブランドを守るためにすべき4ステップをまとめました。

photo credit: Yuki Yaginuma via photopin cc

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1.市場調査

聞くところによると、アジアではどの国でも日本の文化が人気のようです。わかりやすい例だと、AKBのようなアイドルグループとか。っていうか、日本人が知らないだけで、実は日本のことって外国人の人たちは知りたがっています。

特にザ・ジャパニーズ的な文化が注目されています。変に外国風にアレンジするより、日本のことをストレートに伝えたほうが、お、日本ってなんかクールでかっこいいじゃん!って思われるそうです。

今回の事件でも、台湾で抹茶ブームということを知っていれば、事前に対策できたかもしれません。日本の人気ブランドの商標(ネーミングやロゴ)が知らない外国人に勝手に先取り登録されることは、国際化が引き起こした社会問題の一つとして知っておくべきです。

そのため定期的に海外のトレンドや模倣品の出現など市場調査したほうが無難です。

2.日本国内で商標登録を先に取得する

なんで海外のブランディングなのに日本で商標登録しなきゃいかんの?って思うかもしれませんが、あわてないでください。日本で商標登録を持っておくと、この後につづく海外での商標登録の取得の手続きが楽になるんです。

もし日本をマーケットと考えていない、またはアジアいずれか1か国でのみブランド名を保護できれば十分、という会社は、2.を読み飛ばしてください。しかしそうではない会社が多いと見こして、日本国での商標登録の取得をオススメします。そしてビジネス展開しそうなカテゴリーを漏れなく登録しておいたほうがいいでしょう。

「茶寮都路里」の場合、台湾で「飲食店」のカテゴリーについて先に申請されてしまいましたが、「茶葉の販売」のカテゴリーはまだ生き残っていました。そのため日本で商標登録を出願するならば、「飲食店」と「茶葉の販売」の両方を登録する方針がベターです。

3.外国を複数選んで商標登録を取得する

そしてついに外国への商標登録出願です。このとき1か国のみブランド名を保護するなら、直接その国に商標登録出願した方がコストがかかりません。しかし韓国と中国とシンガポールが危険だからケアしたい!という場合は、マドリッド協定議定書による国際出願(通称、マドプロ出願)が適しています(下図の左)。

©特許庁

なぜなら1つの手続で複数の国に商標登録出願することができるからです。つまり手続が簡単なのでコストをおさえられます。でも注意してほしいのは、このマドプロ出願ができない国があるということです。

たとえば「茶寮都路里」の場合、台湾はマドプロ出願ができません。しかもすでに先取り申請されている事態です。そのためこのような場合は直接台湾に商標登録出願の手続を行い、その他の国はその後に考えてもいいでしょう。

4.継続的なウォッチ

最後に、これが意外と抜けているんです。というのも、商標登録って、登録したら終わりではなく、その後も市場の変化に応じて価値がかわってきます。

たとえば模倣品が多数売られているにも関わらず、そのことに気づかず野放しにしていると、あ、そのブランド名はだれでも使っていいいんだ!って勘違いされてしまいます。そうすると、商標の価値がなくなってしまうんです。そして価値がなくなった後に模倣品の販売をやめさせようとしても、もはや商標権の効力を失っているため、やめさせることができません。

わかりやすい事例だと、外来語だった「エスカレーター」は商標登録されていました。しかしいろんな人が勝手に使っていたのに野放だったので、最終的には商標の価値がなくなって米オーチス社は商標権を放棄せざるをえなくなったのです。

だから商標登録した国の状況を継続的にウォッチし、ブランド名が勝手に使われはじめたら即座に対応しましょう。

≪まとめ≫

京都の老舗企業はもはや日本を代表する企業といっても言い過ぎではないでしょう。これからは和菓子や日本の文化がもっともっと海外に拡がっていくはずです。それを見こして早めに商標登録の対策をしておくことをオススメします。

2014年4月16日

著者 ゆうすけ

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