ハードウェア・スタートアップでも解決策より解くべき問題を追求すれば特許がとれる
ハードウェアによるスタートアップが注目されています。いろんなハードウェアのうち、これはイケてない!っていう「〇〇ウェア」について特集した記事の中で、興味深いと感じたコメントをご紹介します。
photo credit: TechCrunch via photopin cc
解決策よりも解くべき問題を見つけろ
Wearable Tech Expo Tokyo 2014にてベンジャミン・ジョフ氏(ハードウェアスタートアップのためのアクセラレータでゼネラル・パートナーを務める)は以下のようにコメントしています。
ソリューションウェアは、すごく良さそうなプロダクトなんだけど、そもそもこれでないと解決できない課題ってなんだっけ? というものだ。「大切なのはむしろ解決策じゃなくて、解くべき問題を見つけることだ」とベンジャミンは強調する。
<引用:2014/4/9 techcrunch 「ハードウェア・スタートアップが避けるべき12の「○○ウェア」」>
たとえば10階の会議室に早くいかないと会議に遅刻する、という問題があるとします。この場合、最適な解決策はエレベーターになります。エスカレーターより早いからです。
しかし途中に5階からプロジェクターを持っていかないと会議ができない、という問題もあるとします。この場合は、最適な解決策はエスカレーターになります。エレベーターだと5階で待ち時間をロスしてしまうからです。
このように、10階に行くこと自体は同じでも、問題の所在によって解決策(エレベーターorエスカレーター)がかわってくるため、問題を見つけることが重要となるわけです。
特許をとるならまず解くべき問題を追求すべし
特許は、課題(問題)の解決策に与えられます。つまりさっきの例でいえば、エレベーターやエスカレーターが特許となります。しかしここでお伝えしたいのは、課題(問題)がかわればとれる特許もかわる、ということです。
そもそも新しいアイデアといっても、世の中のモノやサービスに何かを付け加えたものに過ぎません。つまり新しいアイデアが生まれるのは、世の中のモノやサービスに問題があるから。だから新しいアイデアとは、世の中のモノやサービスが抱える問題(課題を)解決するものと言えます。
そしてハードウェアスタートアップの解くべき問題が新たな視点から発見された場合、その問題の解決策となるハードウェアスタートアップの構造は特許に値するものと言えるでしょう。
≪まとめ≫
3DプリンタとかCADツールとかモノづくりの環境が整ってきたことで、ハードウェアスタートアップのレベルも向上することが予想されます。したがって特許取得はスタートアップの段階から検討すべき項目の一つであり、そのメルクマールは解くべき問題(課題)の目新しさとなります。
2014年4月11日
著者 ゆうすけ
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