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2013年末から取得できる新ドメイン(「.shop」など)と商標登録の注意点

公開日: : 最終更新日:2014/11/15 商標トレンド, 商標戦略

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photo credit: Thomas Hawk via photopin cc

2013年末から「〇〇.shop」「〇〇.web」など一般名称「〇〇.tokyo」「〇〇.nagaya」など地名を、新ドメインとして取得できるようになる予定です。今までは「.com」や「.net」など22種類(国別コードは除く)に限定されていましたが、700種類以上の新しい汎用トップレベルドメインが誕生するようです。これによりドメイン取得の選択肢が増え、ビジネスの幅を広げられる可能性も出てきました。しかしトップレベルドメインは異なるものの、「〇〇」の部分が同じドメインが多数存在するリスクもあります。

たとえば株式会社ABCDEが販路拡大に向けて各地域に店舗をオープンする場合、「ABCDE.tokyo」など地域に特化したブランドサイトを立ち上げることができるようになります。ところがこの販路拡大のニュースを知った悪徳業者が、株式会社ABCDEより先に「ABCDE.nagoya」を取得してしまうリスクがあります。なぜなら悪徳業者の狙いは、株式会社ABCDEに「ABCDE.nagoya」を転売するだけじゃなく、株式会社ABCDEに便乗して勝手にビジネスを開始したりすることだからです。

そういったリスクを回避するため、GMOが運営する「お名前.com」では、ドメイン商標保護プログラムTMCH(TradeMark ClearingHouse)への登録申請サービスを2013年9月2日に開始したというニュースが報じられました。このサービスは新ドメインの先取り取得によって起きる商標権の侵害を防ぐものです。

そこで2013年末以降に注意すべき新ドメイン取得と商標登録の関係についてまとめました。

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・新ドメインをいち早く取得したいならTMCHに登録

ドメインを悪徳業者に先取りされるリスクは今までもありました。しかし株式会社ABCDEの例のように、新ドメインを取得できればビジネスチャンスも広がる分、悪徳業者など第三者に先取りされるリスクはより高くなります。そのため新ドメインをいち早く取得したい場合、TMCHに登録しておいたほうがよさそうです。

http://www.onamae.com/newgtld/tmch/

TMCHに登録する最大のメリットは、一定期間内(2013/9/1~9/30)は優先的に新ドメインを取得できることです。これにより、例えば販路拡大などプレスリリースの前に慌てて新ドメインを取得しなくてもよくなります。

また新ドメインの一般登録が開始されても、一定期間内(2013/10/1~2013/12/31)は第三者の新ドメイン取得に対し、TMCH登録者の商標権を侵害する可能性があることをリアルタイムで警告してくれるようです。これにより、TMCH登録者にとっては商標の保護に役立つばかりでなく、第三者にとっては商標権を侵害する前にドメインやネーミングの変更を検討することができます。

また警告したにもかかわらず第三者によって新ドメインが取得された場合、このことをTMCH登録者に通知してくれるサービスもあります。つまりTMCH登録者は新ドメインを取得した第三者の動きを自ら監視することができるわけです。大抵の商標権者は、ネーミングやロゴなど商標が勝手に使われていることを事後的に知ります。事後的に知るということは、知らぬまにお客さんを奪われていたかもしれないのです。そういう意味でこのサービスは画期的だと思います。

・TMCHに登録するには事前に商標登録しなければならない

TMCHの目的は、新ドメインの先取り取得によって起きる商標権の侵害を防ぐことです。つまり商標登録を持っている商標権者しか登録できません。そのため「〇〇.tokyo」「〇〇.nagaya」などの地名、「〇〇.web」「〇〇.shop」など一般名称の新ドメインを取得する予定なら、「〇〇」の部分を事前に商標登録する必要があります。株式会社ABCDEの例で言えば、「ABCDE」を商標登録しておかなければTMCHに登録できないということです。

一方、TMCHを登録できない商標の例は以下です。つまり商標登録を持っているからといって必ずTMCHに登録できるわけではないということです。

・ドット (.) を含む商標
・文字列を含まない図形商標
・申請中の商標
・市、州、県または地方により登録された商標
・マドリッドシステムを使用した国際的な商標申請(ただし、基礎商標が全国的に効力を持つ場合は除く)
・無効、キャンセル、反対、修正中に該当する登録済み商標
・日本語とローマ字が混合して含まれる商標(例:「お名前onamae」→不可)

(引用:お名前.com「TMCH」)

この例から推測すると、ロゴ商標や図形商標でも“文字列”として文字が読めればOKと考えられます。一方、日本語とローマ字の二段書きの商標登録はNGと考えられます。

またTMCHに登録できる商標でも、申請するときには以下の注意が必要です。

http://www.onamae.com/newgtld/tmch/

ローマ字で商標登録したネーミングならローマ字で、ひらがな・カタカナ・漢字で商標登録したネーミングならひらがな・カタカナ・漢字でしか、TMCHでの新ドメイン登録ができないということになります。つまり所望の新ドメインをいち早く登録したい場合、TMCHで申請可能なドメインの文字列で事前に商標登録しておかなければならないことになります。

・新ドメイン取得の事前エントリーも可能

お名前.comでは、既に事前エントリーを開始しています。そこで試しに、新ドメインを選択して事前エントリーしてみました。事前エントリーでは、新ドメインの種類を確認できます。

 

事前エントリーしておくと最優先で登録の案内がくるようですが、TMCHのように優先登録できるわけではないようです。したがって同じ商標でたくさんの新ドメインを取得する予定なら、TMCHに登録しておいたほうがよさそうです。

≪まとめ≫ 

新ドメインの種類(トップレベルドメイン)は、地名・旅行、ウェブ・テクノロジー、ビジネス、不動産、文化・教育、健康、ライフスタイル、スポーツ・趣味、コミュニティ・宗教、飲食、ショッピング・eコマース、一般、日本語など、約700種類あります。ウェブで情報発信する人口が増えてきたため種類を増やしたのではないでしょうか。全く同じドメインは取得できないものの、商標が同一でトップレベルドメインだけが違うドメインは取得可能です。そのため商標権を侵害したりされたりするリスクは増えることが予想されます。TMCHは商標権侵害のリスクを回避するだけじゃなく、ビジネス拡大にも有効活用できる可能性を秘めているかもしれません。

2013年9月16日

著者 ゆうすけ

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  • 弁理士/監査役/ブロガー。中堅企業、中小・ベンチャー企業、スタートアップに適した知的財産活動を提案。 「地域発 ヒット商品のデザイン」でネーミングと商標登録のコラムを掲載。
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