商標がアルファベットのときカタカナ(呼称)と二段書きする4つのパターン
ネーミングやロゴがアルファベットのとき、呼称(読み方)を書いたほうがいいかどうか質問されることがよくあります。
結論からいうと、カタカナ(呼称)の表記はオススメしません(ネーミングでもロゴでも同じです)。なぜなら使用する商標そのものを申請したほうがいいからです。
そこで商標がアルファベットのときに、カタカナ(呼称)を表記して二段書きにする4つのパターンをわかりやすく整理しました。
(1)カタカナ(呼称)付きで使用する場合
これは使用する商標そのものを申請したほうがいいという大原則です。
なおアルファベットでもカタカナでも両方使用する場合、本来は別々に申請すべきです。しかしコストを抑えるための妥協案として、カタカナ(呼称)を表記することはあります。
どちらか一方のみ使っていると、登録した商標を使用していないと判断され、登録を取り消される可能性があるからです。
(2)アルファベット(外観)が特殊なためカタカナ(呼称)を限定する場合
アルファベット(外観)が特殊だと、さまざまな読み方(呼称)をされてしまう可能性があります。
さまざまな読み方をされてしまうと、本来の読み方とは違う読み方の商標と似ていると判断されてしまうことがあります。
そこでアルファベットとカタカナを二段書きにして、読み方を限定することがあります。
(3)アルファベット(外観)は似ている恐れがあるが、カタカナ(呼称)は似ていない先行登録商標がある場合
カタカナ(呼称)が違うことをはっきりさせて、登録される可能性を上げるためです。
ただしアルファベット(外観)が似ていたら商標権を侵害する可能性もあるため、商標を使用するときはご注意ください。
ちなみにアルファベットが全く同じ場合、登録はダメな可能性が高いです。
(4)商品の品質を表示する恐れがあるカタカナ(呼称)だが、アルファベット(外観)が特殊な造語の場合
商標の呼称が品質を表示するものに過ぎない等の判断をさせず、登録される可能性を上げるためです。
≪ピッタリナまとめ≫
つまりカタカナ(呼称)を表記すれば(二段書きにすれば)登録されやすい、というわけではないということです。また二段書きしたものがすべて安全に保護され、かつ安全に使用できる、というものでもありません。
アルファベットもカタカナも両方使用する場合、本来は別々に申請すべきですが、コストを抑えるための妥協案としてカタカナを表記することはあります。
しかしどちらか一方のみをつかっていると、登録商標を使用していないと判断されて登録が取り消されてしまう可能性があります。
そのためカタカナを表記する(二段書きにする)かどうかは、事前に検討が必要と考えています。
2013年8月5日
著書 ゆうすけ
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