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使わなくなったロゴの商標登録は更新しない?ブランド戦略とリスクヘッジの関係

公開日: : 最終更新日:2015/10/23 商標, 商標事例研究, 商標戦略

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会社経営において、会社や商品のロゴを変更することはよくあります。ロゴを変更することで、ユーザーが感じているブランドイメージ(会社や商品に対する印象)も変わるため、有効な戦略です。

でも、変更する前のロゴ(旧ロゴ)の取り扱いが悩ましいところです。旧ロゴの面影を残さず完全に新しいロゴ(新ロゴ)にするか、旧ロゴを新ロゴの一部にするか、など。

さらに、新ロゴの商標登録はするとしても、旧ロゴの商標登録をどうするか考えるのも大事なことです。使わなくなったロゴの商標登録は更新しなくてもいいのでしょうか?

photo credit: Garbage stored above ground to prevent rats and other vermin from getting at it, San Rosalia, Baja California Sur, Mexico via photopin (license)

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リスクヘッジもブランド戦略!パクリ予防の商標登録

商標登録が生きている期間(存続期間)は、登録した日から10年間(または5年間)です。会社のロゴの商標登録を20~30年使い続けた場合、商標登録は2~3回更新していることになります。

その間に会社が成長すればロゴも認知されます。つまり、ロゴの価値も上がっているわけです。そのロゴの商標登録を更新しないとどういうリスクがあるか想像できますか?

一番のリスクは、他人に旧ロゴと同じか似ているロゴの商標登録を取られてしまうことです。中には、更新しなかった商標をあらためて申請して登録した商標を売りつけにくる業者(商標ブローカー)もいます。

後出しとはいえ、他人に登録された商標と似ている旧ロゴを再び使うことはできません。使ったら、商標ブローカーの商標権を侵害することになるからです。

厄介なパターンは、新ロゴに旧ロゴが含まれているパターンです。ブランド戦略として旧ロゴを活かすのはいいと思います。だけど、旧ロゴの商標登録を更新しないと、商標ブローカーから新ロゴの使用停止を要求されるリスクがあるわけです。

ブランド戦略としては、旧ロゴの商標登録を維持することはパクリ予防(リスクヘッジ)になります。ブランドづくりには時間がかかるため、一度育てたブランドロゴを捨てる前にしっかり検討することをおすすめします。

ちなみに、大手企業でも旧ロゴの商標登録を更新するかどうか検討しているようです。例えば、トヨタ自動車の場合、最近では『トヨタ』の旧ロゴを見かけなくなったものの、商標登録は更新し続けているようです(下画像参照)。 

 

≪まとめ≫

商標は、会社や商売の信用を守るものです。商標を見ただけで、お客さんは商品を買ってくれることがありますよね。なぜなら、商標を見た瞬間、その会社や商売の出所や品質を理解しているからです。そこまで考えて、使わなくなったロゴの商標登録を生かすか捨てるかを検討することをおすすめします。

2015年10月22日

著者 ゆうすけ

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