破産した会社のブランドを新会社が受け継ぐなら商標権の移転も忘れずに!
経営不振で破産に追い込まれるケースは、新しい会社のみならず、老舗の会社にもあります。新しいやり方を取り入れていかないと埋もれてしまう時代。
そんな時代でも受け継がれるのが会社のブランド。そのため破産した会社を買収した場合、その会社から商標権を移転することも忘れてはいけません。
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商標権を移転してブランドを受け継ぐ
破産手続き中の和歌山市の老舗和菓子メーカー「駿河屋」から商標などを受け継いだ新会社が、同市駿河町の旧本店で24日から営業を再開する。店舗など不動産の一部や菓子職人を引き継ぎ、約550年続く伝統を継承する。
<2015/3/17「和歌山の「駿河屋」24日に営業再開 破産手続き中」by 朝日新聞>
駿河屋の不動産などの所有権が「三和インセクティサイド」の会長・田中氏に移転したのが2014年8月6日(Wikipedia調べ)。その後、8月29日付で駿河屋の商標権の移転手続が行われていました。(下画像赤線部)。
「表示変更登録申請書」というのは、元・商標権者が引っ越しなどして住所がかわった場合に提出するものです。その上で、「本権移転登録申請書」というものを提出します。
「本権移転登録申請書」はあくまでも特許庁向けに書類で、その裏では、元・商標権者と新しく商標権者になる者との間で商標権を譲渡する契約(譲渡契約書)が交わされています。
ちなみに、「駿河屋」の現在の商標権者名は「株式会社三和」。「三和インセクティサイド」の関連会社かもしれません。
≪まとめ≫
破産に限らず、企業や事業の売却・買収の際は、商標権の移転が必要です。複数の会社がからむ場合は、それぞれと契約が必要です。
2015年3月18日
著者 ゆうすけ
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