ネット注文を受けている会社は要注意!商標トラブルの70%以上がネット上のパクリ被害(平成26年度警視庁調べ)
平成26年度の商標登録の侵害事件について、警視庁のデータが公開されました。
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商標がパクられると受注し損ねた上にクレーム
2 商標権侵害事犯及び著作権侵害事犯
(1) 現状と対策
平成 26 年中に検挙した商標権侵害事犯 247 事件のうち、インターネットを利用して商標権を侵害した事件は 174 事件(70.4%)であった。<引用:平成26年中における生活経済事犯の検挙状況等について(平成27年2月)by 警察庁生活安全局 >
247件っていくと大したことなさそうですが、おそらく表面化していないトラブルはもっと多いんじゃないでしょうか。もし商標トラブルの総数が1000件だとすると、統計上は700件がネット被害によるものとなります。
実際に聞いたことがあるケースでは、ホームページのタイトルにもなってる社名がそっくりそのままパクられてて、注文を受けた覚えのないお客さんからクレームがきた、という話。
しかもドメインもそれっぽくしてるんです。例えば、社名が「あいうえ株式会社」、ドメインが「aiue」だとすると、社名をそっくりパクって、ドメインを「aiue-company」とかにする。
そしてパクリ業者がネット注文システムを悪用すると、お客さんが検索エンジンで「あいうえ株式会社」って入力すると、本家だけじゃなくてパクリ業者も検索で上位に表示される。
こうなるともうかわかりますよね?お客さんは知らずにパクリ業者から粗悪品を買わされてしまい、クレームだけが本家にくるというカラクリです。
一番迷惑なのはお客さんです。下手したらその会社を信用しなくなるかもしれない。会社にとってお客さんからの信用を失うのはお金を失うよりきついことです。
だから会社としてネット注文を受けている以上、社名がパクられてないかを確認しないとマズイし、お客さんに損をさせないようにブランドを守らないといけないわけです。
≪まとめ≫
商標は知的財産の中で一番パクられやすいです。ウェブの仕組みを知ってるパクリ業者にとって、商標は格好の集客材料なんです。え、いつの間に?とならないように、まずは社名を商標登録すること、つぎにネット上で商標がパクられてないか確認すること、これがネット注文ビジネスを安全に続ける手段の一つでしょう。
2015年3月1日
著者 ゆうすけ
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