商標登録の持ち主に不使用取消審判というケンカを売る前に考えるべきリスク
商標登録は早い者勝ちなので、いざ会社名や商品名を商標登録しておこうとしたら、同じ名称で先取り登録されていることがあります。
ところがもしその名称が使われていなければ、その登録を取り消すことができます。登録しっぱなしで実用しなければ、本当に使いたい人にとってマイナスだからです。
そんなときに売るケンカが、不使用取消審判です。あんたが登録した名称使ってないみたいだから取り消しね!って感じです。でもいきなりこんなケンカを売られたら、誰だって腹立ちます。
だから商標登録の持ち主に不使用取消審判というケンカを売るなら、負けたときのリスクを考えておくべきです。
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商標登録の持ち主が逆ギレ
不使用取消審判を請求する前には、商標登録の持ち主がその名称を本当に使っていないか、ちゃんと確認すべきです。
でも使ってないかどうかを正確に確認するのって、探偵でも雇わない限りまず無理でしょう。いくらインターネットが発達して会社のホームページを簡単に見ることができたとしても、リアルの活動実態はわかりません。
だからホームページにアップしていないだけで、ちゃんと名称使ってんぞ!と逆ギレされるリスクがあるわけです。
まさかのカウンターパンチが炸裂
不使用取消審判というくらいなんで、商標登録の持ち主が名称をつかってたら、その名称は取り消しできません。だからこの時点で負け試合です。
さらにもし登録されている名称と同じ名称をこちらが使ってたら、商標権の侵害になってしまいます。まさかのカウンターパンチ炸裂です。
カウンターパンチがきても名称を変更し、商標権の侵害を回避できれば問題ありません。、商標登録の持ち主も許してくれるかもしれません(許してくれない場合、無断で使用していた期間の損賠を賠償されるリスクもあるので注意が必要です)。※2014/10/20修正
しかし名称を変更しないで使い続けるなら、その商標登録の持ち主に使用料を払わなければならないリスクがあるわけです。
≪まとめ≫
不使用取消審判を請求して、商標登録の持ち主が名称を使っていなければ、すんなり終了します。だからけっこう不使用取消審判は行われています。しかし名称を使っていたら、一気に不利になります。だから気を付けてください。
なお不使用取消審判を請求するしないにかかわらず、新しい名称を使う場合、同じか似ている商標が先に登録されていないかどうか調べることをおすすめします。※2014/10/20加筆
2014年10月18日
著者 ゆうすけ
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