キャノンの知的財産活動方針から学ぶブランドマネジメントの考え方
会社のブランドは知的財産の一つです。それは単にブランド名を商標登録したのとはわけがちがいます。商標登録はブランド構築の一手段にすぎません。
では会社のブランドを守り、それを継続するにはどうすればいいか?それには会社でのブランドマネジメントが必要です。
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・・・グループ内での商標の無許可使用や、第三者による不適切なロゴ使用などによって、お客様や社会に不利益をもたらすことがないよう、ブランドマネジメントを適切に行うことが極めて重要です。
・・・従業員自らがルールにのっとってブランドを正しく使い、お客様や社会の信頼にお応えすることでブランドの価値向上を図るため、「標章キヤノン基本ルール」を・・・策定し、「商号・商標の取り扱い」や「キヤノンロゴの使い方」などを規定しています。
・・・全従業員がキヤノンブランドを正しく理解し、ルールにのっとって行動できるよう、各地域、各社で、従業員へのブランド教育を行い、「従業員一人ひとりがブランド」であるという自覚を促しています。
・・・近年では、M&Aによって新たにグループ入りする企業が増えたこともあり、グループ全体で文化や目的意識を共有することが重要となっています。
<引用:キヤノン株式会社 CSR活動 公正な事業活動 | 知的財産活動 – ブランドマネジメントより>
まずはグループ会社ひっくるめて、ブランドについて考えることが大事です。グループ会社がなーなーだと、ユーザーにとって本家のブランドとの関連性がわからなくなります。そうすると、ブランドの価値が低くなります。せっかく本家が築いてきたブランドの価値をどう維持し、さらに高めていくか?それにはブランドを保護するルールが必要です。
そのためまずは従業員にルールを徹底させることが大事でしょう。会社名や商品名、それらのロゴなどを業務内でどう使うか?社外的な書面にはロゴを付すとか、自己紹介は必ず社名から名乗るとか、そういうことも細かくいえばブランドルールになります。
そのようなことの教育方法としては、ガイドブックを自分で読ませるだけじゃなく、一定時間の研修やワークなどを開催して体感してもらうのも一つです。知的財産は目に見えないだけに、重要性が伝わりにくい。というか、ルールを守ることがブランドを保護するのに不可欠だということを啓蒙できるかどうかが肝でしょう。
そのようなブランド教育は、事業買収やM&Aが行われた時も必要です。これにより新たに従業員が組織の傘下に加わった場合、それらの人々にはしっかりとブランドルールを刷り込まなければなりません。合併前の会社のルール(またはルールがなかった状態)のままの意識で活動されると、全社的なブランドマネジメントが崩れるからです。
≪まとめ≫
ブランドマネジメントの基本とは、社内ルールの徹底でしょう。全社的に取り組み、ブランドルールを定常化させることが必要です。
2014年8月12日
著者 ゆうすけ
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