海外で模倣品が出まわったり会社や特許の情報が流出したりする3つの要因
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特許
海外(特にアジア)で、うちの商品に似たのが売ってたからなんとかしたい!とか、うちのマークついた模倣品が出まわってるけどどうすればいい?なんて話をけっこう聞きます。弁理士として仕事してるとこういう相談もうけます。前向きな話ではありませんが、お客さんにとって死活問題。なんとかしたいものです。
そこで海外で模倣品が出まわったり会社や特許の情報が流出する3つの要因をまとめました。
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外国人が日本の情報を収集しているから
これはネット時代なので仕方がないでしょう。しかも外国版のサイトやグーグルの翻訳機能によって言語の壁も低くなりました。日本のブームを真似るならまだしも、流行っているブランドまでそっくりそのまま真似たり商標登録出願しちゃったりするのは困りものですが。。
特許の情報も今では簡単に入手できます。しかも英語への機械翻訳機能もついてるので、英語版のpdf資料がゲットできちゃいます。この特許の情報は出願してから1年半たつと嫌でも公開されるものなので、公開したくないノウハウや技術について特許は出すべきではありません。
日本人が海外企業に身売りしているから
これも前々からある話です。日本企業の調子がいまいちになって外資系企業が積極採用したため仕方がないといえばそうでしょう。
しかしさらにその状況は切実のようです。というのも、日本の大手企業の二次請け、三次請け企業のミドルクラスの行先がなくなってきたというのです。日本の大手企業は海外進出に伴い、現地人の教育を推し進めました。
これにより何が起こるかというと、人件費の高い日本人より低い現地人を使いはじめたんです。すると居場所のなくなったミドルクラスの日本人は多少給料が下がったとしてもやりたいことができる発展途上の外資系企業に転職してしまうといいます。
外国の製造委託先から情報が漏れるから
これはウソのようなホントの話。日本企業で製造機能を持たない会社は、外国の製造請負会社に委託します。日本よりもコストが安いし一定の品質を保てるなら当然の選択でしょう。
しかしここで注意すべきは、その製造請負会社は他の会社からも製造委託を受けているということです。そして一度つくった金型を使い回すこともあるというのです。つまり情報がダダ漏れということです。NDA(秘密保持契約)を交わしたとしても、それがどこまで通用するかは眉唾ものです。
これで被害を受けるのは、実はリークされた会社だけじゃありません。同じ金型を使い回された会社もリスクありです。例えば海外で製造委託した商品を日本に輸入すると、突然他の会社から権利侵害の疑いありとの警告状が届いたとか。。。
≪まとめ≫
外交が個人でもできるようになったし、特許制度も各国の違いを無くしてもっと柔軟にやっていこうという方針で進んでます。だから情報収集も容易になってきたと思います。どこでどう情報が漏れるかはわからないので、やはり早め早めに手を打つべきでしょう。その手段の一つが知的財産の権利化です。
2014年4月17日
著者 ゆうすけ
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