自治体も活用する商標登録!ちょっと工夫してる未病予防のキャンペーンに注目
「未病」という言葉がすっかり一般的になったかと思いきや、神奈川県はその表示をちょっとかえた「ME-BYO」を商標登録しました。これってどういう意味があるんでしょうか?
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独自性あるキャンペーン名の創作と保護
「ME-BYO」は新たな概念として特許庁に商標申請し、6月に認められていました。そして、このたび、神奈川県は、企業の宣伝などで商標登録「ME-BYO」の使用を認め、広めてもらう制度を始めたそうです。
≪引用:2014/12/23 JIJICO「神奈川から広がる「未病」を治す健康管理」≫
「未病」というのはもはや一般名称化したと考えてよさそうです。ということは、「未病」という文字商標を登録したくても、おそらく厳しいでしょう(普通っぽいからダメ)。
そこで神奈川県は、未病の「未」を「ME」、「病」を「BYO」として、それぞれを「-(ハイフン)」で結んだ文字商標を登録しました。「ME」は英単語で「私に」を意味する「me」とかけたんでしょうかね。
この商標がなんで登録できたかというと、読み方は「みびょう」でも、文字の並びに独自性(商標としての識別性)があるため、特許庁は商標登録を認めたと考えられます。
また「ME-BYO」で保護している商品やサービスは以下です。主に、薬剤関係の商品や医療関係のサービスをおさえているようです。
このように、一般名称で読み方は同じでも、文字の並びを変えて独自性のある商標にかえれば、登録できる可能性があります。
そしてこれを登録しておくと、この後に「みびょう」と読む商標を、薬剤関係の商品や医療関係のサービスについて使用したり登録したりするのは難しくなります。
つまり似たキャンペーン名の出現を未然に抑えておく効果もあるわけです。
≪まとめ≫
ネーミングと商標登録の活用の仕方が少しずつ広まってきたように思います。言葉遊びのようにも見えますが、知ってもらい、覚えてもらうのは大変なことです。むしろちょっとくらい遊び心のあるコピーのほうが愛嬌もあって広まりやすいのではないでしょうか。
2014年12月23日
著者 ゆうすけ
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