規制緩和前に先取り?「寄宿舎シェア」に学ぶ商標登録のタイミング
商標登録できるかできないかは、時代に左右されます。特に文字商標(ネーミング)。流行りの言葉を商標登録できれば、ビジネスにも有効です。
でもメディア(最近では個人ブログも含む)に取り上げられる前なら登録できたかもしれないものも、メディアに取り上げられみんなが普通に使いはじめたら登録できなくなるリスクがあります。
それを先取りしたのか、規制緩和の可能性が出てきたときに商標登録した「寄宿舎シェア」のタイミングは参考になるでしょう。
photo credit: full frame via photopin cc
国土交通省の発表の1か月後に商標登録出願
東京都内を中心に、寄宿舎シェアハウス(※)を展開する株式会社スマートライフ(本社:東京都中央区、代表取締役:佐藤 哲也)は、2014年10月3日に「寄宿舎シェア」の商標登録を取得しました。
<引用:2014/12/10 SankeiBiz 「株式会社スマートライフ、「寄宿舎シェア」で商標登録を取得」>
シェアハウスとかルームシェアとか脱法ハウスとかニュースになりましたが、住居用の建築物にはいろんな種類があって、それぞれにはちゃんと基準(規制)があります。
だからその規制を守らないと、その建築物を名乗って商売できません(したら違法)。つまり規制が緩和されるということは、宿泊や居住空間の提供としてのビジネスがしやすくなるわけです。
シェアハウスについても、今年の3月17日に国土交通委員会から規制緩和の対象として検討するという通知があったと、業界内では話題になりました。(参考:シェアハウス:寄宿舎並み規制を撤回へ国交省(2014年3月17日))
その約1か月後、「寄宿舎シェア」は商標登録出願され、10月3日に登録されました。 「寄宿舎」とは宿泊施設としての名称で、これをサービス名に使うということは、規制に準拠していることをアピールしていると考えられます。
≪まとめ≫
時代にあわせて法律や制度も厳しくなったり緩くなったり設計されています。規制が変更されるということは、産業界からの要望もあったとも考えられます。だからそこにビジネスチャンスが眠っているかもしれません。
2014年12月11日
著者 ゆうすけ
関連記事
-
ピコ太郎さんも驚きの商標トラブル!エイベックス社が巻き込まれた状況を図解
ピコ太郎さんの話題は2017年になってもまだまだ衰えるところを知りません。話題性
-
地域の知財活動に役立つサイトまとめ
日本では、特許庁が知的財産(以下、「知財」)の取りまとめをしていますが、特許庁は経済産業省の
-
ハッシュタグの商標戦略の考察
先日、「ハッシュタグも知的財産--商標登録する海外企業」という興味深い記事が公開されていまし
-
「必殺技」の商標戦略の考察
バンダイが「必殺技」を商標出願したというニュース(2016/3/15)が報じられました。ゲーム業
-
ジェネリック家電のコピーを防ぐ特許戦略
photo credit: blood test via photopin (license)[/