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保険の商品にも使われてる心理学のヒューリスティックを活かしたネーミング戦略

公開日: : ネーミング開発, 商標戦略

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ヒューリスティックとは、必ず正しい答えを導けるわけではないが、ある程度のレベルで正解に近い答えを得ることが出来る方法のことをいいます(ウィキペディア調べ)。ほとんどの人は、物事のすべてを理解して判断することはできず、周囲の情報や自分の知識に基づいて、良し悪しを決めています。それがヒューリスティックです。

そこで商品のネーミングにもヒューリスティックを活かすと効果がある、というのが今回のご紹介です。

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「個人年金保険」「学資保険」は人の心理を考えたネーミング

保険をちゃんと理解して契約している人ってどれくらいいるのか謎です。ちゃんと理解していないのに高額な金融商品を買ってしまうのはなぜかというと、そこにはヒューリスティックが活かされているようです。 「個人年金保険」や「学資保険」は、単に言葉を組み合わせただけですが、その組み合わせ方によって買ったほうがいい・買いたい・買わなきゃという気持ちにさせる効果があります。

例えば「学資保険」は、金融商品として史上最強のネーミングだと思います。これほど“目的”がわかりやすく、かつ情に訴える力を持ったネーミングはほかの金融商品ではなかなかありません。「これを買わない奴は親として失格だ」くらいのインパクトを持って消費者に迫ってきます。

冷静に考えると、保険は「予期せぬ出来事」に対応するためにあるはずです。子供の入学は生まれた時からわかっていることですから、予期せぬ出来事でも「万が一」でもありません。保険を使うのではなく、子供の成長に合わせて貯金すれば済む話です。(2014/3/15ポストセブン「「学資保険」は金融商品史上最強のネーミングと専門家が指摘」)

ヒューリスティックの身近な例と活用の仕方

ヒューリスティックの例は他にもあります。たとえば行列のできるレストランといつも空いているレストランだったら、味もサービスもわからないけど行列のできるレストランのほうがいいだろうと先入観で判断してしまうパターンです。他にも、信号機は単なる色の違いでしかないものの、青なら車がこないから安全だ、赤だと車がくるから危険だ、という認識で判断してしまうパターンです。

つまり人の先入観や認識を利用して、言葉や色や絵をつかって商品の特長を表現すれば、それだけで十分にお客様を引き寄せる効果があるということです。それらの中で最も基礎となるのが文字情報であり、ネーミングは文字情報の中でも最も大切になってきます。

保険の商品の商標登録例

「個人年金保険」や「学資保険」は一般名称なのでそのまま商標登録はできません。しかしそれらを含めた商品名やキャッチフレーズを商標登録することはできます。

例えば『個人年金は、未来への贈りもの。』なんてキャッチフレーズには、「未来」や「贈りもの」というキーワードが含まれているので、金融商品の暗いイメージを明るく前向きなイメージに感じられます。

「学資保険」の場合も、「夢」や「子ども」というキーワードを使い、その商品を購入する人(親御さん世代)に買うべきかどうか考えさせています。

≪まとめ≫

ネーミングを決める時は、その商品を使う人たちの生活スタイルや習慣を洗い出して、ヒューリスティックを活かせるところがないかを検討する価値がありそうです。単なる言葉の羅列でも、組み合わさることでグッと惹きつけるネーミングになるでしょう。

2014年3月16日

著者 ゆうすけ

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  • 弁理士/監査役/ブロガー。中堅企業、中小・ベンチャー企業、スタートアップに適した知的財産活動を提案。 「地域発 ヒット商品のデザイン」でネーミングと商標登録のコラムを掲載。
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