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弁理士という仕事の楽しさをあらためて実感しました。

公開日: : 最終更新日:2014/11/15 弁理士, 弁理士キャリア

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10月19日から22日まで、ハノイで行われたアジア弁理士協会の会議に出席しました。ぼくは今回初参加で、事前情報もほとんど仕入れることなく、とりあえず行ってみるか~ってくらいの気分でした。

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そもそもアジア弁理士協会とは、40年以上前に日本と韓国と台湾の仲の良い弁理士同士家族ぐるみで旅行をしたというのが切っ掛けで発足されたようです。そのためプライベートのつながりを大切にする会合で、会合中の商談は基本的に禁止と聞いていました。

ところがアジアのみならず欧米の弁理士が一斉に1000人以上集まる年に1度の貴重なイベント。実際はほとんどの弁理士が、付き合いのある弁理士だけではなく、新規開拓のために多くの弁理士や特許事務所と事前にアポイントをとってミーティングしています。

そんな実態を知る由もなく、ぼくはアポイントゼロで乗り込んでしまったため、付き合いのある弁理士に挨拶すらできませんでした。そのため会う人会う人初対面。しかも英語が得意なわけではなく、コミュニケーションもいまいちなため、ぶっちゃけ苦痛な時間も多かったです。

とくにランチタイムはきつかったです。ビュッフェ形式で席がフリーなため、どこに座っていいのかもわからずに困りました。わかりやすくいうと、外国の大学の学食に行って、言葉の通じない見ず知らずのグループのテーブルにいきなり飛び込むようなイメージです。しかもいろいろな性格な人がいるため、歓迎してくれる人もいれば、こちらから話しかけないと一切話をしない人もいます。

しかしよく考えてみると、30代半ばの若造が、ある特定な分野でスペシャリストとして活躍するハイソサエティな世界中の人々と出会うチャンスって、そうはありません。特に大きい会社にいると、一人一人が業務の駒になるため、外部活動など身動きがとり難いはずです。

一方、個人や小さい会社で働いていたとしても、グローバルなコミュニティに参加できるようになるには、かなり実績や信用がないと厳しいのではないでしょうか。その点、弁理士の資格と5年程度のキャリアがあれば、ニッチな市場とはいえ海外とのネットワークもでき、グローバルな仕事ができます。

また弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、行政書士など他の士業と比べても、弁理士が最も海外との間口が広く、かつモノづくりのイノベーションに関われるポジションで仕事ができる資格は、弁理士以外にありません。かっこよく言えば、夢やロマンを売る職業でもあるのです。人が不幸にならないと仕事がないという職業では決してありません。

今回の会議にはもちろん日本人も参加しており、熱い想いをもった同世代の弁理士たちとも出会うことができました。独立したばかりの弁理士や、所属先のボスに直談判して積極的に参加している弁理士など、その熱意に感動しました。そしていつかそんな同世代の人たちと一緒に仕事がしたいと思ったし、ぼくら30代ががんばって次の世代にちゃんと引き継げるようにしたいと、本気で考えるいい機会を得られました。

自由にできる分、実力が必要な弁理士の世界。資格は単なるツールに過ぎず、技術と法律と英語の知識が必要で、かつクリエイティブなセンスや経営のセンスも伴わないとやっていけいない時代になってきました。厳しい世界に身を置き、自ら学び、そして共に切磋琢磨して豊かになることを目指せる弁理士が増えること楽しみしています。

≪まとめ≫

一度の人生、どうせやるなら高い方のハードルにチャレンジすべきです。ぼくは弁理士になってまだたったの4年ですが、自分で仕事も取れるようになってきたし、世界に出るチャンスも得られました。これから個人で活躍したかったら、自分のオリジナルな領域をいかにつくるかが肝です。でも逆に言うと、その領域をつくれれば、ソーシャルメディアを活かすなど、すごいチャンスを得られる可能性がグッと高まります。先人の知恵や実績を活かしつつ、今風なやり方を取り入れられれば、そのチャンスは加速すると考えています。

2013年10月24日

著者 ゆうすけ

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